【サピエンス全史 ユバァル・ノア・ハラリ著】を読む

【サピエンス全史 上】ユバァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳:河出書房新社
【サピエンス全史 下】ユバァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳:河出書房新社

【サピエンス全史 上下】ユバァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳:河出書房新社(右上・右下写真)を読みました。

人類が初めて姿を現した250万年前から現在までの歴史が、グローバルな視点で書かれています。

平易な言葉をつかい、適切でわかりやすい例がいたるところに盛り込まれていますので、大著であるにもかかわらず、飽きることなく最後まで読めました。

著者は、サピエンス〈現生人類〉がどのように今日まで生き延び、そして、地球の覇者になったのかについて、【認知革命】【農業革命】【科学革命】の3つの視点から述べています。

【認知革命】
約7万年前、虚構〈伝説や神話、神々、宗教〉を生み出し、それを共有する者なら誰もが柔軟に協働する能力を獲得した。

【農業革命】
約1万年前、それまで狩猟採集をしながら小集団で暮らしていたサピエンスが農業をするようになった。
定住もはじまり、統合への道を歩み始めた。
農耕によって単位面積当たりに暮らせる人の数が爆発的に増えた。

【科学革命】
約500年前、無知を認めた上で、新しい知識の獲得を目指すようになった。
その目的を達するために、観察結果を収集し、数学的ツールを用いてそれらの観察結果を結び付け、包括的な説にまとめ上げてそれを生活にも応用するようになった。

とくに【認知革命】の視点から人類の歴史を捉えていることに、目から鱗が落ちる思いがしました。

また、著者の歴史書の特徴は、以下の件〈くだり〉にあると思います。

… 歴史書のほとんどは、偉大な思想家の考えや、戦士たちの勇敢さ、聖人たちの慈愛に満ちた行い、芸術家の創造性に注目する。彼らには、社会構造の形成と解体、帝国の勃興と滅亡、テクノロジーの発見と伝播についても、語るべきことが多々ある。だが、彼らは、それらが各人の幸せや苦しみにどのような影響を与えたのかについては、何一つ言及していない。これは、人類の歴史理解にとって最大の欠落と言える。私たちは、この欠落を埋める努力を始めるべきだろう。 … 下巻 P240

そして、最後の章〈第20章〉では、サピエンスの今後について、著者の豊かな発想や識見を見ることができます。

そこ〈第20章〉を読んでいたとき、ふと私が中2のときに行った大阪万博〈1970〉のテーマ … 人類の進歩と調和 … を思い出しました。

今回【サピエンス全史】を読んだことにより、… 人類の進歩と調和 … の意味について、これからもずっと考え続けていく必要があることを強く感じました。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福   サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

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