『半歩遅れの読書術』が川本三郎氏にも

【物語の向こうに時代が見える】川本三郎著:春秋社

… 誰にでも大人になったら忘れてしまう「本来の自分」がいるのではないだろうか。それは消えてしまうことなく、心の隅に座ってずっと見守ってくれるものだと思う。大人になって身につけた行動や話し方は身を守る鎧のようなものだ。武装を解いて「本来の自分」に立ち返ると、心は元気を取り戻す。 …
〈2.9付日経新聞30面『半歩遅れの読書術』絲山秋子(小説家)著〉より

あまりにうまい言い方なので、絲山氏のことを知りたく、ネットで調べました。
〈絲山氏を知らなかった自分が恥ずかしい! もっと読まないと!〉

絲山氏の著書を近いうちに買いたいと思います。

一昨日は『サピエンス全史』を読み終え、昨日は『エリック・ホッファー自伝』と、翻訳ものが続いたので、今日は日本のものを読みたくなりました。

※ ここ3日間悪天候ですので、主に室内で読書をしています。

で、前々から読もうと思っていた【物語の向こうに時代が見える】川本三郎著:春秋社(右上写真)を読むことにしました。

目次を見ると、” 寂れゆく地方の町こそを描く ” という文字が目に入ってきました。

… 寂れゆく地方の町 … 私の住んでいるところもそうですので、まずその箇所を開いてみました。

な! なんと! そこ〈P106〉に ” 絲山秋子 ” の名前があるではありませんか。
〈絲山氏を知らなかった恥ずかしい自分を再認識〉

絲山氏は名前と作品名だけで、実際に紹介されていたのは、桜木紫乃氏のものでした。

その桜木氏の作品を、川本氏が優しく確かな眼差しで見ています。

… 桜木紫乃は、その衰退していく故郷の北海道に腰を据え、寂しさと闘いながら生きる人々に焦点を当てる。
無論、大上段に振りかぶった政治批判はしない。政治や経済の言葉ではとらえきれない人々の哀歓を彼らと共にあろうとするように優しく、切なく描き込んでゆく。 … P107

” 大上段に振りかぶった政治批判はしない。政治や経済の言葉ではとらえきれない人々の哀歓を彼らと共にあろうとするように優しく … … ” は、川本氏自身の姿勢のようにも読めました。

物語の向こうに時代が見える   旅先でビール   ひとり居の記   ばかもの (新潮文庫)   氷平線 (文春文庫)

【エリック・ホッファー自伝】を読む

【エリック・ホッファー自伝】中本義彦訳:作品社

【エリック・ホッファー自伝】中本義彦訳:作品社(右写真)を読みました。

… 私はつましく暮らし、絶え間なく読書をしながら、 … … 勉強をはじめた。自分の記憶を助けるためにノートをとる習慣も身につけ、言葉を使って物事を描き出すことに熱中し、適切な形容詞を探すのに何時間も費やしたりしていた。 … P17

… 私は概して堕落しやすく、そうであるからこそ誘惑を避けることを学ばねばならなかった。 … P20

… もしこのまま彼女たちと暮らせば、一時の平和も見出せないだろうと思った。私は一刻も早く行動を起こして、放浪生活に戻らなければならなくなった。 … P111

… ある晩、 … … 鏡に映った自分の顔にはっとした。やつれて見えたのだ。私はためらうことなく仕事を辞めることにし、すぐ寝袋をとって、 … … 給料をもらいに行った。 … … 〈その〉金がなくなるまでの2週間あまり、人生は御伽噺のように思えた。貨幣の発明の重大さを悟ったのだ。それは人間性の進歩、つまり自由と平等の出現にとって欠かせない一歩である。 … P145〜146

… 私はこれまでの人生で不満を抱いたことは一度もない。世界は分不相応に私を大事に扱ってくれていると、いつもそう思ってきた。 … P153

… 人びとが1日6時間だけ働き、その後に自分が本当にやりたいことをやれるようになれば、いわゆる引退の意味はなくなります。それまでやってきたことに費やせる時間が多くなるだけだからです。 … P168

穏やかな書きぶりの中にも、”向学心” ”自由”  ”平等” ”誇り”  ”勇気” といったホッファー氏のとても大切にしているものががひしひしと伝わってきました。

『エリック・ホッファー』〈1902〜83〉
・ニューヨークのブロンクスにドイツ移民の子として生まれる。
・7歳のときに失明し、15歳のときに突然視力が回復。
・正規の学校教育を一切受けていない。
・18歳で天涯孤独になった後、職を転々とし、働きながら読書と思索を続け、独自の思想を築き上げる。

エリック・ホッファー自伝―構想された真実   波止場日記――労働と思索 (始まりの本)   魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集   この先をどう生きるか 暴走老人から幸福老人へ

【サピエンス全史 ユバァル・ノア・ハラリ著】を読む

【サピエンス全史 上】ユバァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳:河出書房新社
【サピエンス全史 下】ユバァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳:河出書房新社

【サピエンス全史 上下】ユバァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳:河出書房新社(右上・右下写真)を読みました。

人類が初めて姿を現した250万年前から現在までの歴史が、グローバルな視点で書かれています。

平易な言葉をつかい、適切でわかりやすい例がいたるところに盛り込まれていますので、大著であるにもかかわらず、飽きることなく最後まで読めました。

著者は、サピエンス〈現生人類〉がどのように今日まで生き延び、そして、地球の覇者になったのかについて、【認知革命】【農業革命】【科学革命】の3つの視点から述べています。

【認知革命】
約7万年前、虚構〈伝説や神話、神々、宗教〉を生み出し、それを共有する者なら誰もが柔軟に協働する能力を獲得した。

【農業革命】
約1万年前、それまで狩猟採集をしながら小集団で暮らしていたサピエンスが農業をするようになった。
定住もはじまり、統合への道を歩み始めた。
農耕によって単位面積当たりに暮らせる人の数が爆発的に増えた。

【科学革命】
約500年前、無知を認めた上で、新しい知識の獲得を目指すようになった。
その目的を達するために、観察結果を収集し、数学的ツールを用いてそれらの観察結果を結び付け、包括的な説にまとめ上げてそれを生活にも応用するようになった。

とくに【認知革命】の視点から人類の歴史を捉えていることに、目から鱗が落ちる思いがしました。

また、著者の歴史書の特徴は、以下の件〈くだり〉にあると思います。

… 歴史書のほとんどは、偉大な思想家の考えや、戦士たちの勇敢さ、聖人たちの慈愛に満ちた行い、芸術家の創造性に注目する。彼らには、社会構造の形成と解体、帝国の勃興と滅亡、テクノロジーの発見と伝播についても、語るべきことが多々ある。だが、彼らは、それらが各人の幸せや苦しみにどのような影響を与えたのかについては、何一つ言及していない。これは、人類の歴史理解にとって最大の欠落と言える。私たちは、この欠落を埋める努力を始めるべきだろう。 … 下巻 P240

そして、最後の章〈第20章〉では、サピエンスの今後について、著者の豊かな発想や識見を見ることができます。

そこ〈第20章〉を読んでいたとき、ふと私が中2のときに行った大阪万博〈1970〉のテーマ … 人類の進歩と調和 … を思い出しました。

今回【サピエンス全史】を読んだことにより、… 人類の進歩と調和 … の意味について、これからもずっと考え続けていく必要があることを強く感じました。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福   サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

目が覚めるような青緑の海を見られました

あまりに暖かい春の日です 1
あまりに暖かい春の日です 2

昨日から息子が帰省しています。

帰省中も、ネットを使って仕事をしなければならないようです。

※ 近頃はいろいろな仕事の仕方があるんですね。

それで、Wi-Fiがあった方が便利だということで、ホームルーターを近くの電気店に息子と買いに行きました。

品物を買って店を出ると、あまりに暖かく天気もよいので(右上・右下写真 外気温14℃)、そのまま家に帰るのがもったいないような気がして、「海を見てこよう」ということになりました。

〈息子は〉正午から仕事に取りかかる必要があるので、それに合わせるようにして車中でコンビニ弁当を食べつつ急ぎ足で海を見て帰って来ました。

今〈午後1時30分〉、このブログを書いているのですが、雨が降り出しました。

予報によると、この雨が今夜から雪に変わり、明日の最低気温は-2℃、最高気温は1℃になるということです。

そして、そのような寒い日がしばらく続くとのことです。

今日見た海が思い出されます。

この季節によく見られるんよりと曇った空を背景にした荒れた灰色の海、とはまったく異なるものでした。

… 少し波立った目が覚めるような青緑の海 … でした。

自分一人なら見に行かなかったろうに … 。

息子がいたからこそ見られたのだと思っています。

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嵐前の静けさではないでしょうね

朝野外焼却をしました
春の陽をいっぱいに浴びるふきのとう
煙突掃除もしました
枯れた杉の葉を積んでいると西日が射してきました

風の無い穏やかな朝を迎え、野外焼却をしました。(右上写真)

火が落ち着いたころに、木立をひと回りしました。

例年雪の下に垣間見るふきのとうも、今年は春の陽をいっぱいに浴びています。(右中上写真)

午後になるとストーブを焚かなくてもよいほどの暖かさになりましたので、ストーブを止めて煙突掃除をしました。(右中下写真)

その後、木立に散らばっていた枯れた杉の葉を拾い集めました。
〈野外焼却をするときの焚き付けにするため〉

この時期に乾いた杉の葉を拾い集められるなんて信じ難いことです。

※ 日誌によりますと、昨年の今日は、早朝より2時間余り雪かきをしたことが記されています。

それら拾い集めた杉の葉を焼却用ドラム缶のそばに積み上げていますと、西日が射してきました。(右下写真)

で、〈旧暦でいう〉正月二日の日も、昨日同様新春を十分に味わいました。

ただ … 、

この後、雪の降る寒い日がしばらく続くという予報が気になっています。

私の住んでいるところでは、雪かきを一度もしないで春を迎えたということは、ほとんどありません。

今まで暖かかったぶん、その反動が大きいことも考えられます。

今日の穏やかな日が、” 嵐前の静けさ ” でないことを願っています。

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