終日雨。
昨日買った〈中古のDVD〉『大いなる幻影』(右写真)を視聴しました。
前回のブログ記事でお伝えしたように、45年前にたまたまテレビで最後の部分を見、いつかは全部見たいと思いながら今日に至りました。
中身では、
第1次大戦下のドイツの捕虜収容所での人間模様と2人の捕虜が脱走してスイスに逃れる経緯が描かれています。
酷い戦闘シーンや声高な戦争批判がないにも関わらず、 ” 反戦 ” を強く意識させる内容となっています。
とくに脱走兵をかくまった農家の未亡人エルザが、
彼女の夫や兄たちの戦死について敵国の脱走兵を責めることなく淡々と語ったり、ロッテ〈彼女の娘…3歳ぐらいかな〉との2人暮らしには食卓が大き過ぎると言ったりする場面、
そして、マレシャル中尉〈脱走兵の一人〉と別れるときの諦観漂う寂しげな表情、
また、まだ父親の戦死の意味もわからないロッテのいたいけな様子 … … etc.
静かな中にも、戦争の悲惨さがひしひしと伝わってきました。
捕虜収容所長フォン・ラウフェンシュタイン大尉と仏軍のボアルデュ大尉とのやり取りも印象に残りました。
全力で闘った後は、たとえ収容所長と捕虜の立場の差はあっても、尊敬し合う … なかなかできないことと思いました。
両大尉はお互いに貴族の出 … 〈貴族に共通するような〉誇りや体面を持ち合わせていることも関係しているんでしょうな。
戦時下でなかったなら、もっともっとすばらしいお付き合いができたでしょうに。
内容全体を通しても暴力沙汰はなく、敵味方に分かれて憎しみが表出されるような場面もありませんでした。
むしろ独兵が捕虜に何のわだかまりもないごとくふるまっているのが不思議なくらいでした。
映画では、
… 戦争がなくなるとの思いは大いなる幻影だ …
と言っています。
きっぱり否定できる日が来ることを切に願っている次第です。