降ったり止んだり。
時たまあられも。
寒い〈最高気温8℃?〉日です。
【金子兜太養生訓】黒田杏子著:白水社(右写真)を読み、印象に残ったくだりを紹介します。
… 漂泊者はメモをするのが好きなようです。一茶もそう、山頭火もそう、尾崎放哉もある程度、メモ好きに近いものがある。彼らはみな、移動していきますからね。まとめた表現ができないので、記録だけしていくんです。書かざるをえなかったんだろうな。不安なんです。何でもいいから書いておきたいという気持ちがあるんじゃないかな。捨てるのが惜しい。過ぎ去ったものだからいいんだという割り切りができない。未練がましいというか。私もトラック島で1日も欠かさず書いていましたから、やはり漂泊者だ。漂泊者の系譜に連なっているんですな。 …
P182
… だいたい俳諧師は連歌師以来、旅の中で暮らしを立てていたわけです。そういう彼らの生活形態が伝わっているわけだが、そういう伝統は私たちの時代にはもうない。俳句を売って歩いて食っているなんてことはまず考えられないということから、定住状態にいて、自分の内なるこの漂泊の心情をいかに温めていくか。しかし、温めるだけでは生きる力にならんかもしれんから、この漂泊心情をテコにして、何かを定住の状態の中に築き上げていく。漂泊の心情というものを抑え込んで、それを創作のエネルギーにして具体的なものを作り上げていく。そういうふうに考えていかないといかん。
私の場合だと俳句と自分の考えというものを築き上げていこう。金子兜太独自のものを築き上げていこう。 … P226
一茶、山頭火、尾崎放哉、金子兜太と同列に並べて自分を語ることは非常におこがましいのですが、ひと言語らせてください。
私がほとんど毎日メモをするようになったのは定年退職後です。
〈そのメモをもとに日々ブログ記事を書いています〉
ということは、私も ” 漂泊者 ” ?
金子氏がおっしゃる通り、私が毎日メモをするようになったのは、〈定職がなくなり〉不安で、何でもいいから書いておきたいという気持ちになったのかもしれません。
が、私も金子氏同様定住者の身。
〈再度言いますが、同列に並べてすみません。〉
漂泊の心情を創作のエネルギーにして木立の手入れにいそしみ、みなさんの目を楽しませるようなガーデンを築き上げていきたいと思っています。