【緑につつまれて】アン・レイバー著/明石三世訳:主婦の友社(右写真)を読み、とくに印象に残った箇所を紹介します。
… … 私たちには、自分たちの想像力を養うためにも、巨大な樹木が必要だ。人生にささやかな神秘を保つために、私たち自身の神話を思い出す必要がある。 … P119
… たとえ正しく使用しても、メトキシクロル〈幅広い害虫に対応する殺虫剤〉には残留効果があり、惑星汚染につながる。だが大事な樹木が危機に瀕したら、あなたはほんの少しだからと、農薬を使うだろうか。それが今世紀の問題だと私は思う。ガーデナーなら、そして地球の番人なら、必ず問いかけてみるべき質問なのだ。 … P144
… ボビー〈著者の知り合いの農夫〉によると、アイリスを育てるのは簡単だ。ただこれだけはわかっていてほしい。植物は、そしてエイミー〈ボビーが飼っている乳牛の名前〉のような牛はけっして、 ” もの ” ではない。 ” 人格 ” をもっているということを。 …
P251
著者アン・レイバーは、アメリカのガーデンライターです。
【緑につつまれて】は、ガーデン・エッセイ集で、彼女〈筆者〉自身がオーガニック〈有機肥料、無農薬〉栽培の実践者でもありますので、至るところに経験したことが散りばめられ、とても具体的な内容になっています。
評論家然としたところがないのがいいですな。
野菜や草花だけでなく、家族のこと、人生のことなど、多岐にわたって書かれています。
フランクというか、ストレートというか、日本人が書くエッセイとはまた異なった雰囲気があり、新鮮に感じました。
〈いいとか悪いとか言っているのではありません〉
とくに野菜や草花の栽培に携わっている人には、ぜひご一読を。