
【草枕】夏目漱石著:新潮文庫(右写真)を読みました。
いつもならとくに印象に残った箇所を紹介するところですが、今回の場合、紹介する箇所が多過ぎるので感想のみをを述べます。
① 【草枕】に登場する主人公と那美という女性の会話がとても現代的。
100年以上も前〈厳密には1906年〉に書かれたというが、二人が会話している箇所だけ読んでいると、最近書かれた小説かと思うほどである。
② 二人〈主人公と那美〉の会話以外の箇所は、さすがに100年前の時代を感じさせる。
否、それよりずっと前の時代かと思うほどである。
至るところに難しい漢語が使われているからである。
〈読み下し文がない漢詩も少しでてくる〉
が、漢字を見ているうちに、漠然としてではあるが意味がわかってくる。
主人公〈=漱石?〉が言わんとしていることは、これまた現代に十分通用するような芸術観、人生観であるということが。
③ … 理屈なしに自然に溶け込めたら …
という漱石の願いがひしひしと伝わってくる。
〈日々木立の手入れをしている私も同感〉
今回の【草枕】は再読です。
前回読んだのは50年ほど前になります。
〈右上写真の文庫本の奥付には昭和50年8月30日58刷とあります〉
そのときは今以上に漢語の意味がわからず、読了したとはいえ、すっきりしなかったことを覚えています。
で、再度漱石を読むなら、まずは【草枕】からという思いが強くありました。
この50年間の経験ってホントに大きいですな。
出会ったみなさんからいろいろ教えていただいたり、よい刺激を与えていただいたりしたおかげで、少なくとも以前よりは理解できたと感謝しております。
すっきりしましたわ。
… 追伸 …
文庫本の小さい文字を読むために、1ランク度の強い老眼鏡を買いました。(右上写真)