【知的生活】P.G.ハマトン著:渡部昇一・下谷和幸訳 講談社(右写真)を読みました〈再読〉。
印象に残ったくだりを紹介します。
… 人との交際は、集団生活を送っていく上で、人それぞれに役割と地位があるためにどうしても必要です。しかし、孤独は個人としての生活を維持するために欠かせないものです。個人にとって交際が必要なのは、国にとって貿易が必要なのと同じことです。一方、言わば孤独は国民の家庭生活にあたり、そこで国民はそれぞれの独創性と才能を育むのです。 …
P303
… われわれが短気になるのは、おもに、自分の能力に対するアマチュアらしい不安感からきているのではないかと思います。この不安感には、仕事が完成するのを一刻も早く見たいという激しい焦燥感がつきまといます。 … P314
… 仕事こそ倦怠感に良く効く特効薬だと人は言いますが、着実に、一所懸命に仕事をしていながら、しかも常にひどい倦怠感に苦しんでいる人が大勢いるのです。その仕事が自分で選んだ自分の最も好きな天職であってさえもです。 … P318
… この30年を振り返ってみて、私が本当に無駄に費やしたと思う時間というのは、何か対外的に権威のあるものに汲々としながら従っていた時間だけのような気がします。 … P342
前回のブログ記事で紹介した5つのくだりも、上記著書からピックアップしたものです。
若い人向けに書かれた本ですが、高齢者にも十分に通用するような内容です。
〈40年ほど前に一度読んでおり、今回再読しました。〉
とくに定年退職して何かに打ち込みたいと考えている人には、大いに刺激になると思います。
他、
・【フロー体験 喜びの現象学】M.チクセントミハイ著・今村浩明訳:世界思想社
※ 2020.12.17付ブログ記事『今の私の心境に通じるものがあるのかな』参照
・【生きがいについて】神谷美恵子著:みすず書房
※ 2020.1.19付ブログ記事『【生きがいについて:神谷美恵子著】を読む』参照
もお薦めです。