
午後、伐採杉の後処理をしていると(右写真)、集落の男がやって来た。
「杉を伐採したんか。 … どうりで今朝、この辺りから〈伐採杉の枝葉を燃やした〉白い煙が上がっとったわけや。」
「あんたの家まで臭いが漂って来たか。悪かったのおー。」
「いや、臭いはせんかった。 ただ、白い煙が見えただけや … 。」
〈伐採跡を見回して〉
「 … えらいスッキリしたで。 」
「ああ、25本の杉を伐ったんや。 … 山桜の日当たりをようしたてな。 … 冬に入る前に根元に肥料をたっぷりやって早うでか〈大きく〉し、桜の園にするつもりや。」
「そりゃ、確かにでかなると思う。そやけど、自然にうまくバランスをとって育ってきたものに下手に人の手を加えると、バランスが崩れるおそれがあるんと違うか。 … 今までいなかった虫や菌がくっ付いて病気になることも考えられるな。〈山桜の木々を見上げながら〉そうなったら、こんな10m以上もある木に薬を撒くのもたいへんや。 … しばらくは何もせんと様子を見た方がええかも … 。」
「 … そこまで考えが及ばんかったな。 … あんたの言う通り、しばらくは何もせんことにするわ。」
彼〈私より2つ年下〉は学業を終えてからずっと農業に携わる仕事をしてきた。
森林に関することもホントによく知っている。
いいときにいい話を聞いた。