【土 地球最後のナゾ:藤井一至著】を読む

【土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて】藤井一至著:光文社新書

【土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて】藤井一至著:光文社新書(右写真)を読みました。

… 専門家の集う学会の定義する「土壌」とは、岩の分解したものと死んだ動植物が混ざったものを指す。この意味では、動植物の確認できない月や火星に、土壌はないことになる。 … P19

… 地球の土壌の中には、 … … 多くの微生物がすんでいる。スプーン一杯(5グラム)の土壌には、細菌(バクテリア)が5億個体もいるという。 … P29

… やはり、火星に土壌はない。100億人を養う土があるとすれば、それは今のところ、地球にしか存在しない。 … P31

… 実は、〈世界に〉土の種類は12しかない。 … P48

… ウイスキー、コーヒー、紅茶、そして砂糖の文化がイギリスで発達する背景には、泥炭土から滲み出す飲み水がそのままでは不味かったことが影響している。 … P80

… 私たち日本人は、土はネバネバして当たり前と思いがちだが、それは湿潤で温暖な環境で生まれ育った人間だけに許された特権である。 … P89

… スコップで土を掘る仕事の最終目的は、スコップで掘らずとも土を予測できるようになることだ。私の仕事がなくなってしまう問題はあるが、信頼できる土の地図があれば、地球上の土と食料や人口の関わりを明らかにすることもできる。 … P138

… 近現代史を通して、文明が発達しなかったのは、民族が未開だからと誤解されることもあったが、主な原因は、酸性で栄養分の乏しいオキシソルが農業生産に適さなかったことにある。 … P147

… 日本は農業大国になれるだけの肥沃な土を持っている。私たちは国土を危険にさらす外国の脅威には敏感になれるが、その国「土」が荒廃しつつあることには鈍感であることが多い。土の発達には数千年かかるとか、汚染土壌の修復に数百億円かかるという事実に愕然とする前に、予防も可能だ。 … … 土壌に恵まれた惑星、そして、土壌に恵まれた国に育った人間として、ただそこに当たり前のように黒い土があることの有難みを知っておいてもいいはずだ。 … P211~212

読んでいるうちに段々引き込まれていきました。

土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて (光文社新書)

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