【エリック・ホッファー自伝】を読む

【エリック・ホッファー自伝】中本義彦訳:作品社

【エリック・ホッファー自伝】中本義彦訳:作品社(右写真)を読みました。

… 私はつましく暮らし、絶え間なく読書をしながら、 … … 勉強をはじめた。自分の記憶を助けるためにノートをとる習慣も身につけ、言葉を使って物事を描き出すことに熱中し、適切な形容詞を探すのに何時間も費やしたりしていた。 … P17

… 私は概して堕落しやすく、そうであるからこそ誘惑を避けることを学ばねばならなかった。 … P20

… もしこのまま彼女たちと暮らせば、一時の平和も見出せないだろうと思った。私は一刻も早く行動を起こして、放浪生活に戻らなければならなくなった。 … P111

… ある晩、 … … 鏡に映った自分の顔にはっとした。やつれて見えたのだ。私はためらうことなく仕事を辞めることにし、すぐ寝袋をとって、 … … 給料をもらいに行った。 … … 〈その〉金がなくなるまでの2週間あまり、人生は御伽噺のように思えた。貨幣の発明の重大さを悟ったのだ。それは人間性の進歩、つまり自由と平等の出現にとって欠かせない一歩である。 … P145〜146

… 私はこれまでの人生で不満を抱いたことは一度もない。世界は分不相応に私を大事に扱ってくれていると、いつもそう思ってきた。 … P153

… 人びとが1日6時間だけ働き、その後に自分が本当にやりたいことをやれるようになれば、いわゆる引退の意味はなくなります。それまでやってきたことに費やせる時間が多くなるだけだからです。 … P168

穏やかな書きぶりの中にも、”向学心” ”自由”  ”平等” ”誇り”  ”勇気” といったホッファー氏のとても大切にしているものががひしひしと伝わってきました。

『エリック・ホッファー』〈1902〜83〉
・ニューヨークのブロンクスにドイツ移民の子として生まれる。
・7歳のときに失明し、15歳のときに突然視力が回復。
・正規の学校教育を一切受けていない。
・18歳で天涯孤独になった後、職を転々とし、働きながら読書と思索を続け、独自の思想を築き上げる。

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