ケガもせずお金もかけずにあれもこれも

三脚のヘッド〈タコマン製〉

朝、集落の年配の方が訪ねて来ました。

「おはようさん。 … 休んどるとこ悪いのお。 … 実は三脚のヘッドを貸してほしいんや。」

「三脚のヘッドって … 。」

「あんた切株を引き抜くときに使うとった三脚の頭んとこのジョイントや。 … たぶん1t用やと思うんやが … 。」(右上写真)

「ええ、そうです。 … それなら物置に単管に付けたままになっていますんで、外して持って行ってください。 … で、切株でも抜かれるんですか?」

「なんもや。石を持ち上げるんや。 … 昨日知り合いから庭石をもろうてな。軽トラの積載量ギリギリぐらいのでかい石や。 … 300kgちょっとかのお。それでいつまでも積んどくと軽トラによう〈よく〉ないし、早う車から下ろしたいんや。 … わしんとこ三脚とチェーンブロックはあるし、まあとにかくヘッドだけ借りていくわ … 。」

 

1時間ほど経った頃、うれしそうに三脚ヘッドを戻しに来ました。

「うまくいったようですね。」

「おかげさんで大助かりや。ホントにアンガトウ。 … あんたんとこもいっしょやけど、わしんとこも子どもが出て行って、残っとるのは年寄りだけや。 …  最小限の力でケガをせんようにして、できればお金もかけんようにしてあれもこれもしていかんならん。 … そやけどいつまで続くんかのお … 。」

同感ですな。

温かい場所・お茶・聴くこと…それだけ

昨日は〈午後〉8時近くまで知人と話していました

朝プレハブに入ると、お菓子と紙コップが置きっぱなしに … 。

そうでした。

昨日〈午後〉8時近くまで知人と話していて遅くなったので、後片付けもせずに帰宅したのでした。(右写真)

※ 普段は〈午後〉6時半過ぎに帰宅

 

昨日の〈午後〉5時近くのことでした。

一日を振り返り、ブログ記事にまとめようとしていた矢先に知人が訪ねて来ました。

「入ってええか?」

「どうぞ。」

「いきなり来て悪いのお。 … 山歩きしとったら、雨が降ってきたんや。天気予報は晴れる〈て〉言うとったのに。ホントに参ったわ。 … 夕方バレー〈ボール〉もする予定やったのにオミクロンで中止になってしもうたし … 思う通りにいかんもんや … 。」

※ 彼〈知人:66歳〉は、昨春雇用延長も終え、自由の身となりました。
非常にアクティブで、積雪の山道を歩いたり、地域の子どもたちにバレーボールの指導をしたりしています。

 

で、あれこれ話しているうちに夜の8時近くになったという次第です。

彼の話は、私のような出不精者にとって、地域の実情を知るよい機会となっています。

彼のように訪ねて来てくれる人がいるおかげで、何とか世捨て人にならないで済んでいるという感じです。

感謝しています。

 

では、逆に私が彼らにしていることとは。

温かい場所、お茶、聴くこと … それだけですな。

みんな歳をとったんですな

昨日雪かきをしたのに新たに雪が〈自宅玄関前〉

昨日雪かきをした自宅玄関前でしたが、屋根に残っていた雪が新たに落ちていました。(右写真)

再度雪かきを。

で、雪かきをしていると、隣集落の同級生が通りかかりました。

※ 彼〈同級生〉は一昨年定年退職し、現在無職。
健康維持のために毎日のようにウオーキングをしています。
雪かきをしていると、たまたま通りかかったのです。

 

「精がでるのお。」

「ああ、昨日一度雪かきしとるけど、また〈屋根から〉落ちてきたんや。」

「そうか、そりゃーたいへんや。」

「で、おまえんとこ、雪かき終ったんか。」

「ああ、とっくに終わっとるわ。 … 実は、ネットで中古の除雪機〈を〉買うたんや。 … わしんとこの前の道路、おまえんとこみたいに融雪装置ついとらんし、雪かき〈は〉時間がかかってホントに疲れるんや。 … 退職して雪かきぐらいどれだけでもできるやろて言われるけど、歳とると体が持たんでなあ。 … 除雪機〈は〉楽やわ … 。」

 

先日町会長さんからもよく似たお話を聞きました。

町会長さんの家の前の道路にも融雪装置はありません。

で、雪が積もると、奥さんやお子さんが〈車で〉勤めに出られるように朝の暗いうちから雪かきをしなければならず、

結局は除雪機を買うことにしたと。

 

若い頃は人力での雪かきは当たり前だったけれど、

… みんな歳をとったんですな。

できる範囲内で手伝いを

木立の雪もほとんど消え、よい天気になりました。

木立の雪もほとんど消え、よい天気になりました。(右写真)

木立をひと回りし、木立前の道路をブラブラしていると、近くに車が止まり、知人が降りて来ました。

 

「おはようございます。散歩ですか。」

「おはようさん。 … まあ、乾いた道路を見るの久しぶりやし、歩いてみたくなったんや。」

「確かに。 … 実は … 少ないのですが、もいよいよ年金がもらえるようになりました〈知人は63歳〉 これを機にアルバイトも止め、好きなことをしようと思っているんです。」

「そうか、そりゃええわ。 … で、何するつもりや。」

「〇〇さんとこと△△さんとこと私んとこの山、隣接しているんですが、その辺り一帯荒れた竹やぶ状態なんですよ。 … で、3人で話し合った結果、その竹やぶをタケノコが採れるような竹林に整理し、オーナー制っていうか、タケノコ採りをしたい人に貸し出そうということになったんです。 … これからあれこれと手入れをすることになるんですが、 … 慣れている▢▢さん〈私のこと〉にも手伝いをお願いすることもあるかと思って … 。」

 

どう見ても、上から目線の同調圧力を帯びたボランティア強制ではなさそうですな。

おまけに集落の景観がよくなるとなれば、断る理由もありませんわな。

できる範囲内で手伝いをさせていただくことにしました。

『付かず離れず』って容易ではない

知人が置いていったモチ

知人が置いていったモチ(右写真)を見ながら、昨日のことを思い出しています。

 

知人は、昨日の午後訪ねて来ました。

彼〈知人:66歳〉は、昨春に延長していた仕事も終え、それ以来日々自分の時間を楽しんでいます。

2か月に1回ぐらいの割合で訪ねて来ます。

で、話す内容はほとんどが彼の家族のことで、端的にいうと、

「妻や子どもといえど、こうも価値観が違うものか」

ということになります。

 

彼は、長らく〈私より10年も長く〉身を粉にして家族のために働いてきました。

そして、昨春に晴れて自由の身になりました。

… が、彼の場合、田畑や手入れする木立もなく、終日家にいることもけっこう多く、家族と向かい合う時間がいっぺんに増えました。

それで、前述のごとく「妻や子どもといえど … … 」の思いを強く抱くようになってしまったのです。

彼より人生経験が1年少ない私は、せいぜいが
「誰しも大なり小なりそのようなことを思いながら生活しているんではないでしょうか。」
と言う程度で、ただ聞いているばかりです。

 

『付かず離れず』という言葉が頭に浮かびました。

デジタル大辞泉によると
… 近づき過ぎず、そうかといって離れもしないで、一定の距離を保ちながら関係を続けるさま …
とのこと。

容易なことではないですな。

今度来たときにモチを食べながら続きを聞かせてもらおうか。