【日本の心を旅する】を読む

【日本の心を旅する】栗田勇著:春秋社

朝の晴れ間に昨日の作業の続きをしました。

イチゴの苗をポットに植える作業ですが、ちょうど植え終わったときに雨が降り出しました。

何事もやり終えるとスッキリしますな。

 

その後、読みかけの【日本の心を旅する】栗田勇著:春秋社(右上写真)を読了しました。

印象に残った箇所を紹介します。

… … 「万葉集」から「古今集」「新古今集」の和歌が四季をうたうことにいかに熱心であったか。また、さらに連歌、俳諧にいたっては四季の季語がなければ、句が詩が成立しない。言葉をかえれば、四季を除いたら文学や詩が成立しないという国は他にはない。 … P99

… 最澄・空海の平安大乗仏教も、一口で言えば、中国仏教の日本化だった。そこには、自然の四季の生命が決定的に取りこまれる。この自然の生命観を仏教に生かしたのが、後の本覚〈ほんがく〉思想と呼ばれ、日本の伝統芸能でも「草木国土悉皆成仏」として、その後の日本イデオロギーの底流として生きつづけることになる。 … P220

… 従来から日本の宗教界には神道があって、そこに中国から仏教が入ってきたというのではなく、日本の宗教的地盤には在来信仰があって、それが外来仏教の刺激によって一つの日本の仏教として形成されていったと考えられる。
… … 日本では、黄泉〈よみ〉の国、常世〈とこよ〉の国、母の国、地の国などといわれるように、昔から他界思想が豊かにイメージされてきた。日本文化の基盤には、このような他界というもう一つの世界を、はっきりイメージする習慣があったことを忘れてはならない。 …  P262

 

一日の大半を木立で過ごしているせいでしょうか、あるいは年とったせいでしょうか、はたまた気ままに生活ができるようになったせいでしょうか、自然や四季の移ろいがとても身近に感じられるようになってきました。

著者の言う ” 日本の心 ” に私の心がだんだんと重なってきているようです。

読んでいるうちに心のふるさとに戻ったのか、懐かしく落ち着いた気持ちになりました。

【漱石を知っていますか】を読む

【漱石を知っていますか】阿刀田高著:新潮文庫

午前中に台風11号の強風域に入りました。

前回のブログ記事で自慢げに紹介したアサガオ棚が、風にあおられて今にも倒れそうです。

こういうときに下手に外に出て直そうとすると事故になりますので、プレハブ内で見守ることにしました。

見守りがてら、以前より読んでいた【漱石を知っていますか】阿刀田高著:新潮文庫(右上写真)を読み終えました。

で、思ったことを紹介します。

 

現在の小説家〈阿刀田高〉が、100年以上も前に書かれた夏目漱石の小説について評価するという内容になっています。

評価対象になっている小説は、
①吾輩は猫である ②坊ちゃん ③草枕 ④虞美人草 ⑤三四郎    ⑥それから ⑦門 ⑧夢十夜 ⑨彼岸過迄 ⑩行人 ⑪こころ ⑫道草 ⑬明暗
です。

評価に至るまでの阿刀田氏の重層的なものの見方や考え方に、プロならではの力量がひしひしと感じられました。

各々の評価内容については、みなさんのほうで是非お読みになってください。

 

私こと
〈45年ほど前に〉上記①~⑬のうちで⑧の夢十夜を除き、ほか全部を読みました。

が、何しろそれから半世紀近く経っていますので内容はほとんど忘れてしまい、ただ楽しく読んだことを覚えていました。

今回阿刀田氏の著書を読んでいるうちに、おぼろげながら記憶が蘇ってきました。

と同時に、漱石のおもしろさを改めて知るところとなりました。

当時読んだ漱石の本は処分していないはず、頭が確かなうちに再度読みたく思っています。

 

最後に、阿刀田氏の著書で印象に残った箇所を紹介します。

… 総じて夏目漱石は、〈万葉集〉や〈源氏物語〉、いや、もっと古くからこの国に輝いた文芸の伝統と、新しくヨーロッパに咲いた小説という形式をどう融和させるか、それを具体的に創作して示した。それにふさわしい日本語のよい例をも示した。この点において後代に著しい宝物を残した文豪であった。まだ近代文学の揺籃期の気配が強く、小説の技法において巧みな人ではなかったが、残してくれた功績は、他を絶して見事である。この人なかりせば、日本の新しい文学はずいぶんと進展を遅らせたのではあるまいか、と私は思う。 …  P463より

夏本番前の落ち着いた一日

プレハブ内の一角 … 北窓側

終日、梅雨末期を思わせるような降り方。
〈梅雨はとっくに明けているはずですが〉

 

午前は、2週間ほど前に収穫したジャガイモの選り分けをしました。

悪臭を放ち、腐食して型崩れしたものを処分しました。
〈収穫してからある程度日数が経つとはっきりわかるようになります〉

疵がなく、冬まで持ちそうなものは野菜かごに入れ、日が当たらないように蔽いをして保管しました。

疵があり、長持ちしないようなものは段ボール箱に入れ、車に載せました。
〈自宅に持ち帰り、傷みの度合いの大きいものから順に食べます。〉

 

午後は、プレハブ内の北窓側の本棚の上に積んであった本の整理をすることに。
〈北窓は日が射さないので、そこに本を置くことにしています。〉

近いうちに読みそうにない本を袋に入れ、菜園にある物置に持って行きました。

物置から戻ってくると、〈午後〉3時過ぎ。

すっきりした北窓側で本が読みたくなりました。(右上写真)

〈『老いのかたち』黒井千次著:中公新書〉を読みました。

すでに8割方読んでいましたので、夕方までに読み終えました。

1冊の本を読了したのは何か月ぶりでしょう。

今思うと、

初夏になってからは、畑耕し、苗〈種〉植え、施肥、水やり、除草 … そして薪割りと、常に動き回っていたようです。

 

ジャガイモの選り分けと読書。

夏本番前の落ち着いた一日でした。

残念です

除草後の竹やぶ跡

竹やぶ跡の除草が終わりました。(右写真)

自宅に帰って水風呂に浸かり、プレハブに戻るとちょうどお昼時でした。

昼食後20分ほど眠り、目を覚ますと1時を過ぎていました。

何気なしにパソコン画面に目をやると、ニュース欄に

… 安倍元首相、演説中に襲われる … と。

 

すぐに〈NHKプラスでニュースを見ました。

… 午前11時半頃、奈良市で安倍元首相が参院選立候補者の応援演説をしている最中に背後から銃のようなもので2発撃たれて倒れた。容態は心肺停止状態か。犯人は40代の男性で警察署で取り調べ中 … …
〈7月8日 午後1時過ぎ時点での状況です〉

 

暗澹たる気持ちになりました。

民主主義の根幹ともいえる選挙中に、それとは真逆な暴挙に出るとは … 。

前回のブログ記事でお伝えしましたが、

昨日、今度の参院選に立候補なされる方が集落の辻で演説なされるということで、それを聞きに行きました。

小さな集落にもかかわらず30名ほどのみなさんが集まりました。

その時間帯だけわざわざ作業の手を休めて集まったのです。

… 日本がよりよい国になってほしい。ひいては集落もそうなってほしい …

そういう願いを持って演説に聞き入ったのです。

奈良市でも、同様だったと思われます。

 

今回の暴挙は、安倍元首相の命だけでなく、人々のそのような願いをも踏みにじってしまいました。

残念です。

トライコームの役割を知る

竹やぶ跡に植えたトウガン … 周りの草を刈ったまではよかったのですが

竹やぶ跡に植えたトウガンですが、周りの草がトウガンの葉っぱを蔽うほどに伸びてきました。

で、草刈りをすることにしました。

竹の切り株が多いので、ナイロンコードで刈りました。

※ チップソー〈金属の刃〉を使うと、切り株に当たって跳ね返り、危険なのです。

 

連日の晴天で土が乾き切っていて土が舞うわ舞うわ。

そして、その舞い上がった土がトウガンの葉っぱの上に。

濃い緑色のはずのトウガンの葉っぱが茶色に見えるほどでした。

日光によく当たるようにと周りの草を取り除いたのはよかったけれど、今度は土に妨げられる始末。

※ 他、葉っぱに土がたくさん付着すると病気にもなりやすいでしょうな。

 

葉っぱに付着した土を、刷毛で一枚一枚ていねいに落としていきました。

葉っぱを破ったり折ったりしないことはもちろん、” 葉っぱの産毛 ” を取らないためにも。(右上写真)

【産毛〈トライコーム:毛状突起〉の役割について】
ネット〈農林水産省〉から
・強い光〈紫外線〉に対する防御
・強風時に気孔から過度に水分を失う事を防止する役割
・小さな害虫が葉の本体に近づきにくくする役割
などがあると言われています。

 

土がたくさん舞って葉っぱに付着してくれたおかげで、 ” トライコーム ” という言葉と役割を知るところとなりました。