【「明治」という国家】を読む

【「明治」とう国家】司馬遼太郎著:日本放送出版協会

【「明治」という国家】司馬遼太郎著:日本放送出版協会(右写真)を読み、印象に残ったくだりを紹介します。

… よくやった過去というものは、密かにいい曲を夜中に楽しむように楽しめばいいんで、日本海海戦をよくやったといって褒めたからといって軍国主義者だというのは非常に小児病的なことです。私はかれらは本当によくやったと思うのです。かれらがそのようにやらなかったら私の名前はナントカスキーになっているでしょう。 … P211

… 明治維新の最大の功績者は、まず徳川慶喜だったでしょう。かれは幕末、外国文書では ”日本国皇帝” でした。それが、鳥羽・伏見における小さな敗北のあと、巨きな江戸期日本そのものを投げだして、みずからは水戸にしりぞき、歴史のかなたに自分を消してしまったのです。退くにあたって、勝海舟に全権をわたし、徳川家の葬式をさせました。となると、明治維新最大の功績者は、徳川慶喜と勝海舟だったことになります。 … P244~245

… 西郷〈隆盛〉が東京にいたたまれなくなったのは、じつは政論・政見といったものよりも、馬車に乗り、ぜいたくな洋風生活をとり入れて民のくるしみ(百姓一揆が多発していました)を傲然と見おろしているかのような官員たちの栄華をこれ以上見ることに耐えられなくなったからでした。西郷は、真正の武士でした。 … P268

… 西南戦争を調べていくと、じつに感じのいい、もぎたての果物のように新鮮な人間たちに、たくさん出くわします。いずれも、いまはあまり見あたらない日本人たちです。かれらこそ、江戸時代がのこした最大の遺産だったのです。そして、その精神の名残が、明治という国家をささえたのです。 … P270

 

列強が虎視眈々と日本を狙っていた時代に、先人たちは、江戸期日本から「明治」という国家を立ち上げました。

多大な犠牲の上に成り立った国家でした。

それを可能にしたのは、

徳川慶喜、勝海舟、西郷隆盛、大久保利通をはじめ、

『私心のなさ』『誠実』『質素』『勤勉』『自立』『倹約』『聡明さ』を地で行くような当時の人たちでした。

彼らに改めて感謝する次第です。

 

前々回のブログ記事でも言いましたが、

司馬遼太郎の著書を読むと、

「日本っていい国なんだなあ。いいことは継いでいかないと … 。」

といつも思うのです。

すてきな読書タイムは夕日で終了

本日の読書は西窓から射し込んできた夕日で終了 2022 2.18 4:55PM

午後は読みかけの本〈明治という国家:司馬遼太郎著〉の続きを読みました。

薪ストーブの傍に二つの椅子を寄せ、一方に深く座り、もう一方に足を乗せながらという恰好で … 。

※ 案の定途中で30分ほど居眠りをしてしまいました。
読む姿勢といい、居眠りをしてしまったことといい、著者に申し訳ない。

 

途中で一度休憩がてら木立をひと回りしたきりで、あとはずっと ” 司馬ワールド ” を漂っていました。

江戸から明治に移り変わっていくときの雰囲気が、ビビッドに伝わってきます。

まるで私自身が当時の志士であるかのように、幕末の危なっかしい日本を心配しています。

小栗豊後守忠順、勝海舟、パークス〈英国公使〉など、個性的な人たちを間近で見ているようです。

そして、いつの間にか

「日本っていい国なんだなあ。いいことは継いでいかないと … 。」

というような気持ちになっている自分 … 。

※ 今までに司馬氏の著書を数十冊読んでいますが、どれを読んでもなぜかしらそうなるんですな。

 

漂っているうちに西窓が急に明るくなりました。

木立の木々の間から射し込んできた夕日でした。(右上写真)

時計を見ると、4時55分。

「司馬ワールドもええけど、続きは明日読めばどーや。」

と言っているようでした。

すてきな午後でした。

25年後も本を読んでいるやろか

本日2回目の木立回り 2022 2.16 2:10PM 竹やぶ跡で

父を見ていて、自分もその年齢になったら真似たい点がいくつかある。

その中の一つが読書である。

満90歳の父は、この季節、たいてい自宅でテレビを見ている。

が、時たま本を読んでいることもある。

ほとんどが近くの図書館から借りてきた『時代物』である。

私の趣味と異なるが、その年齢での ” 本を読もうという意欲 ” には驚かされる。

 

私こと

今日は訪ねて来る人もなく、久しぶりにじっくりと本を読んだ。

現在読んでいるのは、【明治という国家】司馬遼太郎著〈日本放送出版協会〉である。
〈再読です。読了後、当ブログ記事にて紹介します。〉

平成元年12月10日に買った旨記されているから、一度目は少なくとも30年以上前に読んでいることになる。

どうりで至るところ赤線が引いてある割には覚えていないわけだ。

 

初めて読むような新鮮な気持ちで読んでいる。

わからない箇所があると、日本史事典を繰ったり、ネットで調べたりしながら読み進めている。

テストを受けるわけでもなく、レポートにまとめるわけでもないのに。

いくつになっても、今まで知らなかったことを知ることができるというのは、楽しくてうれしい。

 

25年後〈私が90歳になったとき〉も本を読んでいるやろか?

【追伸】

腰痛を防ぐべく読書の合間に木立回りをしました。(右上写真)

【撤退戦の研究】を読む

【撤退戦の研究】半藤一利 江坂 彰:青春出版社

【撤退戦の研究】半藤一利 江坂 彰:青春出版社(右写真)を読みました。

太平洋戦争及びバブル経済の失敗の原因を知ることができました。

いつもなら印象に残ったくだりを紹介するところですが、今回は、江坂氏の一文から自分が思ったことを述べさせていただきます。

 

… 経済大国となり、夢がかなったとき、これから日本はどうするかという問題を考えていませんでした。 … P171
※ 1980年代に日本経済がアメリカを追い抜いたと思われていた頃、当時のリーダーたちが日本の進むべき道を明確に描けなかったことを言っています。
〈その後バブルがはじけて失われた30年となり、今日に至っています。〉

 

上記の一文は、経済大国になった日本にだけではなく、個人にも当てはまるのではないでしょうか。

… 飯が食え、おまけに自分の時間が持てるようになった。 … さてこれからどう生きるか。 …

というふうに。

私の場合は、今までブログ記事でお伝えしてきたように、定年退職後、木立〈0,5ha〉の手入れにいそしんできました。

” 荒れ果てた木立を果樹園やガーデンにできないかな ” という一心で手入れをしているうちに木立がだんだんすっきりしてきました。

で、最近では、

「集落の景観がよくなってきている」

と言う人まで出てきました。
〈集落のほぼ中心に位置する0,5haは大きいですな〉

 

私の場合はたまたまそのようになったのですが、

やりたいことをやってそれが他人の役に立つ

ことって、他にもけっこうあるのではないでしょうか。

頭ではわかっていても心と体が

ひと晩で20㎝弱の積雪 2022 2.6 7:20AM 木立前で

ひと晩で20㎝弱の積雪。(右写真)

外での活動は、木立回りと自宅玄関前の雪かきと精米所に行っただけ。

あとは、プレハブに籠ってユーチューブ三昧。
〈最近読書欲は今一つ〉

 

いろいろ視聴した中で印象に残ったものを二つ紹介します。

1 AMラジオ放送が2028年秋に終了してFM放送に移行

初めて知りました。
AM放送の設備に莫大なお金がかかることがその理由。
どうりで最近のラジオにはワイドFM機能がついているんですな。
たとえFMに移行するといえど、AMラジオを聞いてきた者としては寂しいですな。
10年ほど前に、子どもがラジオの扱い方〈聞き方〉がわからないと言っていたことを思い出しました。
今の若い人たちは、ラジオでなくスマホでFMを聞いていることも関係しているんでしょうな。

2 仁徳天皇陵が大仙古墳に
これについては、うすうすとは知っていました。
21世紀に入る頃から呼び名が変わってきたとか。
「考古学研究者たちが、仁徳天皇が埋葬されているか確認されていないとして通常の遺跡と同様、所在地名に由来する『大仙古墳』と呼ぶよう主張した。」
という。

 

小さい頃から当たり前だと思ってきたものがなくなっていく。

… 時代は刻々と変化している …

頭ではわかっていても、心と体がなかなかそうは … 。