板坂元の著書を改めて読んで

【人生後半のための知的生きがい入門】〈左〉 【人生後半のための知的生活入門】〈右〉    共に板坂元著:PHP文庫

先日菜園横にある物置を整理していたときでした。

板坂 元〈江戸文学研究者・大学教授〉の著書【人生後半のための生きがい入門】【人生後半のための知的生活入門】:共にPHP文庫(右写真)が目に付き、拾い読みをしているうちにはまってしまいました。

自宅に持ち帰って読み直しました。

印象に残ったくだりを紹介します。

 

【人生後半のための生きがい入門】より

… 秋が去って冬が来れば、古いものは散って消えていく。 … … 衰えが見えたら、さっさと身を引くいさぎよさ、ひょっとしたら、これが最高のお洒落かもしれない。 … P44

… 生きがいは「生活をいとなんで行く上の実利実益と関係がない】「させられるのではなく、やりたいからやる」「個性的なものである」「ひとがそのなかでのびのびと生きていけるような、そのひと独自の心の世界をつくる」 … P92
著者が神谷美恵子の著書『生きがいについて』から引用

… … 私は孤独に耐える力を持っているつもりだ。私は、『濹東綺譚』の永井荷風の言葉のように、「徒党を組んで事を為す」ことがきらいだ。ゴルフやカラオケを避けるのも、仲間と連れだって遊興することがにがてだからだ。与えられた持ち時間は、大事に自分自身のために使いたい。 … P210

人生後半のための知的生活入門】より

… … 生活は簡素で静かであることに越したことはない。 … … 社会生活や食・住の生活をシンプルにして、現実を見直すことは難しくないと思う。おそらく、私にとっては大変に贅沢な生活になるだろうが、せめて人生の一時期はそういう生活を送ってみたいのだ。 …
P48

… 足の向くままに、小さな発見を楽しんでいく生活が、晴耕雨読の生活の中に組み込まれるなら、文句なしに新しい人生が建設できる。 … P96

 

人生の後半にさしかかった頃に〈20年ほど前…40半ばの頃かな〉 一度読んでいるはずなのに、内容をほとんど覚えていませんでした。

… … が、体が覚えていたようで、

今回紹介した〈上記の〉5つのくだり … 細々とながらも現在実践させていただいております。

” いい顔 ” でありたい

ユーチューブ 『若者たち~遠い世界に~或る日突然/トワ・エ・モア(白鳥英美子、芥川澄夫) 青木まり子』より

〈午前〉8時頃より雨が降り出し、昼過ぎから雨足が強くなる。

止む気配なし。

集落の行事の案内文書を作成すると、あとは何もする気が起こらず。

室内作業や読書などをしようとの意欲も湧かず … 。

 

ユーチューブでジャズを聴くことに。

… が、10分ほど流しているとなぜかしらフォークが聴きたくなる。

歌を聴いているうちに、それらが流行っていた中高生時代を懐かしく思い出し、級友たちの顔が浮かぶ。

「みんな元気でやっているかな?」と。

 

とくにトワ・エ・モアと青木まり子の歌に聴き入る(右上写真)

いや、見入ってしまったと言った方が正確かもしれない。

繰返し20回近く視聴する。

『若者たち』『遠い世界に』『或る日突然』の歌もさることながら、3人〈白鳥英美子,芥川澄夫,青木まり子〉の顔がいい。

青木は今日初めて知ったのだが、白鳥、芥川にいたっては、私が中高生の頃見たときよりずっといいように思われた。
〈いつ録画したものかわからないが〉

… 顔は履歴書 … という言葉を思い出した。

 

ふと自分の顔に思い至った。

いつも木立の中を泥や木屑にまみれて這いずり回っている65歳のジイサンの顔のことを。

〈顔立ちがよくてハンサムとか美人とかではなく〉
” いい顔 ” でありたいものだ。

【ポーツマスの旗 外相・小村寿太郎】を読む

【ポーツマスの旗 外相・小村寿太郎】吉村昭著:新潮社

3日連続の雨。

今日が最もひどい。

おかげさまと言えばいいのか、【ポーツマスの旗 外相・小村寿太郎】吉村昭著:新潮社(右写真)が読了できました。

 

1905年〈明治38年〉、アメリカ合衆国のポーツマスというところで、

アメリカ大統領、セオドア・ルーズベルトの仲介により、

日本の全権:小村寿太郎とロシアの全権:ウイッテが日露戦争の講和条約を結びました。

結果は犠牲の割に日本の取り分が少なく、民衆が憤りを爆発させ、主に東京で暴動が起こりました。

※ 当時の日本の国力を考慮すると、たとえ取り分が少なくても戦争を止めざるをえませんでした。
もし、取り分を多くしようとして講和会議が決裂していたら、現在の日本があったかどうか … 。
詳しく知りたい方は、ぜひ上記著書をお読みになってください。

 

で、今回は、小村寿太郎の私生活に焦点を当てて印象に残ったくだりを紹介します。

… 外相官邸を引き払わなければならなくなった小村は、落ち着き先をあれこれと考えた。かれは、家屋というものに関心がなく、官舎以外はすべて借家住いで過ごしてきていたが、精神錯乱を起こしている妻のために小石川の原町に家を購入した。 … P269
〈そこには彼の妻や子どもたちが住み、彼は家族と別居。〉

… かれの生活は、徹底して簡素であった。官邸では着物で過していたが、それも夏、冬1枚ずつで、しかも粗末なものであった。多くの勲章をもらっていたが関心はなく、戸棚の中にしまったまま胸におびることはなかった。かれのもとにはさまざまな贈物があったが、包紙を開くこともしない。物品に対する興味の欠如しているかれは、贈物をもらっても、迷惑そうに顔をしかめていた。 … … P273

… 小村は、… 葉山村一色に年300円の家賃で借りた家に移り住んだ。その家は、第2次桂内閣の外相に就任後借りた家で、週末に時折り訪れては休息をとっていた。
… … わずかに次男捷治が時折り訪れてくるだけであった。
家は8畳3間、4畳半3間の梁がかたむき庇のゆがんだ粗末な家であった。家事は宇野弥太郎が引受け、土地の男と女が通いで働いていた。 … P282~283

 

徹底して簡素な生活をし、そして、テニソン詩集を愛読した小柄で痩せた男 … 小村寿太郎。

偉大な外相でした。

ボチボチやっていくしかないですな

〈午前〉9時過ぎからずっと玉切りをしていました

先日友人と5本の杉を伐採しました。

友人が来る前にすでに自分一人で5本の杉を伐採していましたので、今秋は、今のところ合わせて10本伐採したことになります。

 

胸高径約25㎝、長さ18m前後の杉が10本横たわっている光景はなかなか壮観なものです。

… が、感心ばかりしていられません。

処理しなければなりません。

 

今朝、さっそく落とした枝を焼却しました。

〈午前〉5時半頃から燃やし始め、終わったのは〈午前〉7時頃。

終わったといっても燃え尽きたわけではなく、大きな炎が見えなくなっただけです。

で、プレハブの窓越しに火の様子をうかがいながら朝食を食べました。

その後、ブログ記事を投稿したり、木立を回ったりしているともう〈午前〉9時過ぎ。

それから伐採杉の幹を45㎝長に玉切りする作業を始めました。

※ 45㎝長に切ると、私の薪ストーブにも親戚の薪風呂にもちょうど合うのです。
【玉切り〈たまぎり〉】
立木を伐採した後、枝払いをし、木の特徴に合わせ一定の寸法に切断して素材丸太にすること。こうして切断された丸太を玉という。
… ネットより

作業が終わったのは、〈午後〉5時過ぎ。(右上写真)

 

伐採杉の事後処理はまだ始まったばかり。

すべて処理するのにのべ一週間はかかりそう。

天候の具合を見ながらボチボチやっていくしかないですな。

【毎日が日曜日】を再読する

【毎日が日曜日】城山三郎著:新潮文庫

【毎日が日曜日】城山三郎著:新潮文庫(右写真)を再読しました。

最初に読んだは、42年前。

奥付に昭和54年11月発行とありますので、就職する数か月前ということになります。

※ ちなみに私が就職したのは昭和55年〈1980年〉。
就職してから読んだ記憶はないので、いつ読んだかが割とはっきりわかります。
当時買ったものは処分してしまいました。
先日古本屋さんでたまたま見つけ、再度読みたくなり購入しました。

 

再読する前に、内容についておぼろげながら覚えていたのは、
定年退職者が人生の最期に大型冷蔵庫に入って死ぬことだけでした。

 

再読して印象に残ったくだりを紹介します。

… やりたいことを気ままにやる。やりたくないことは、一切、やらない。たのしくないことには、見向きもしないんだ … P34

… 孤独な退職者たちにとって、スモッグ以上におそろしいのが、退屈さである。さまざまな刺激に満ち、雑然とした大都会は退屈さをまぎらわせてくれる。孤独な退職者には、大都会こそよく似合った。
… 219

… 平凡な話だが、いちばんいいのは、、生計の道は別にあって、気が向いたときだけ、釣りに行くというくらしじゃないのかね。
… P403

… 何のために生きているかなどといわず、はげしい楽しみも求めず、いまの生活のままで、まずまず満足すべきではないか … P423

… 「気ままで長生き」するためには、少しばかり内容があり、働きがいのある生活は必要のようであった。何かひとつ、軽く支えになるものがあり、また、軽くたよりにされるものがあっていい。日程表の先の先まですべて空白というのでなく、適当にたのしい日程ができていて、しかも、空白が多い、という感じがいい。
それに、完全に無為、完全に孤独ということになると、ただ等身大の存在が社会に残留しているだけということになり、不安定であり、妙ないい方だが、地球のお荷物になっている、という感じにもなる。完全に自由になるためには、むしろ、少しばかり、地球に貸しがあった方がいい。 … P535~536

 

40年以上も前に著者が言ったこと … 今でも十分に通用するようです。

現在出回っている退職後の過ごし方に関する本の内容とそれほど変わらないようにも思われます。
〈退職前後にその手の本を20冊ほど読みました〉

何やかんやいって、最終的に具体化していくのは自分自身ですな。