【未完の資本主義】大野和基編を読む

【未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来】大野和基インタビュー・編:PHP新書

台風一過と思いきや、ぐずついた天気 … 。

外へ出られませんので、【未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来】大野和基 インタビュー・編:PHP新書(右写真)を読みました。

大野和基氏〈ジャーナリスト〉が、7人の世界的な経済学者、歴史家、ジャーナリストたちの …資本主義の未来とよりよいあり方… についての持論をまとめて本にしたものです。

その中の3人の方の持論を紹介します。

『トーマス・セドラチェク〈経済学者〉』より
… いま私が着ているジャケットには価値があります。30ドルで売れるかもしれません。でも、世の中には友情という価値もあります。それはこのジャケットよりもはるかに価値がありますが、価格を付けることはできません。 … … にもかかわらず、数字を付けられるものだけで計算しようとすると、答えはつねに間違ったものになる。これこそ、まさに「経済学」の病です。 … P116

『タイラー・コーエン氏〈経済学者〉』より
… 〈日本には〉すばらしい企業はいまでもありますが、それらは「とてもいい企業」止まりであり、最前線でイノベーションを起こすことはありません。日本の年齢構成が非常に高齢化していることも問題です。イノベーティブな人材の多くは20代、あるいは10代である場合もあります。 … P142

『ルトガー・ブレグマン〈歴史家,ジャーリスト〉』より
… 才能のある若者たちはかつて、研究機関や大学、政府、医療、教育などの分野で働いていたのに、いまやその大半がウォール街で働くようになってしまったのは、現代最大の悲劇だと思っています。 … P168
… 若い人たちには、自分の道を探り、創造性を開花させるのに十分な自由を与えることが必要だと思っています。創造性を教えることはできません。できるのは、開花を促すことだけです。創造性は、すでに存在しているのです。 … P176

つい最近出版された本です。

大いに刺激を受けました。

【庭仕事の愉しみ】読了はけがの功名か

【庭仕事の愉しみ】V・ミヒェルス編/岡田朝雄訳:草思社

朝から腰が痛い!

昨日、お寺の本堂の畳の上で、長時間座って住職さんのお話を聞いていたのが原因のようです。

※ 住職さんの責任ではありませんよ。

で、今日は野外作業を諦めました。

午前中は買い物をし、午後は読書をしました。

けがの功名といいましょうか、【庭仕事の愉しみ】V・ミヒェルス編/岡田朝雄訳:草思社(右上写真)を読み終えることができました。

※ 【庭仕事の愉しみ】: ヘルマン・ヘッセの著作の中で、庭仕事に関する箇所を編集した本

前々回のブログ記事『【庭仕事の愉しみ】を読み灰を思い出す』で、すでに一部紹介していますが、

改めて印象に残ったくだりを紹介します。

… 書斎からのこの眺め、このテラス、この茂みと樹木は、部屋や家具調度よりもはるかに私と私の生活に近しいものとなっている。それらは私のほんとうのつきあい仲間、私に最も近いものであり、私はそれらとともに生き、それらは私の味方であり、信頼のおけるものたちなのである。 … P66

… 〈蛾の〉羽の、くすみ、混じりあい、ぼかされた茶色や灰色などのすべての色調は、枯れ葉と見まがう色であって、ビロードのようにやわらかな感じを与える。私が日本人であったなら、祖先たちからこれらの色彩とその混合色それぞれについておびただしい数の正確な呼び名を受け継いだことであろう。 … P110

… 私には、ひとつの庭が … … あります。夏には私はそこで半日を過ごします。焚き火をし、花壇の中にひざをつき、下の谷間の村々から響いてくる鐘の音を聴きます。そしてこの素朴な田舎の小世界で、詩人や哲学者の著作を読むときとまったく同じように、永遠なものや心にしみるものを感知します。 … P201~202

… 土と植物を相手にする仕事は、瞑想するのと同じように、魂を解放し、休養させてくれます。 … P203

【庭仕事の愉しみ】の本は20年ほど前に購入し、拾い読みしたまま物置に仕舞ってありました。

今回はしっかり通読しました。

今後の愛読書の一つになりそうです。

【庭仕事の愉しみ】を読み灰を思い出す

野外焼却ででた灰をふるいにかけて集めてありました

【庭仕事の愉しみ】V.ミヒェルス編・岡田朝雄訳:草思社
を読みました。

ヘルマン・ヘッセの著作の中で、【庭仕事の愉しみ】に関する箇所を編集した本です。

で、その本の中で、ヘッセは、 ” 灰 ” について、次のように言っています。

… …
私が燃やした塵芥や 緑の植物や 木の根をすべて
土と混ぜ合わせると あるいは濃い あるいは淡い
あるいは赤い あるいは灰色の灰ができる。それは
極上の穀粒か粉末のように細かくなって 焚き火をした地面に堆積する。
それらはそれから 念入りに篩〈ふるい〉にかけられて 私にとっての賢者の石となる。
それは 焚き火に費やした数時間の収穫であり 美味な果実である。
私はそれを小さな湯沸かし鍋に入れて持ち歩き つましく庭に配分する
特に好んでいる草花だけに たとえば細君の小さな庭へ
この瞑想の火と生け贄の醇化された収穫の分け前を
分け与える価値があると私は思う。
… … P151~152

 

物置小屋に置きっぱなしになっている ” 灰 ” のことを思い出しました。(右上写真)

” 瞑想の火と生け贄の醇化された収穫の分け前 ” の一人占めはよくありませんね。

父が手入れしている菜園の物置に2容器ぶん置いてきました。

そして、親戚にも2容器ぶん持って行きました。

初秋の暑い日に読書について思う

初秋の暑い日に

秋になったというのに、酷暑に逆戻り!

室内で、ブログ記事を書くことにしました。

今朝〈9.7〉の日経別刷り11面の『なやみのとびら』欄にあったことを紹介します。

【読者の問い】
… 読んだ本の内容を覚えていない〈愛知県・30代・男性〉 …

【回答者〈石田衣良:作家〉の答え】
… 凡俗のぼくたちには、そんな記憶能力はありません。本の内容は忘れてしまうのが当然なのです。 … … 本を読んで、知識をしっかり身につけよう、できることなら、もっと頭をよくしてやろう。その手のたちの悪い邪念があると、読書にはあまりよい影響はありません。 … … アルベール・カミュの『シーシュポスの神話』ではありませんが、読書は果てしない努力なのです。ぼくたちの雑な頭では、すかすかのザルで知の水をすくい続けるようなものです。
… … 結論はひとつ、なんにも覚えていなくとも、本はひたすら読みましょう。 …

ついでに、
… なんで本を読むのか … について、2冊の本より紹介します。

【人間の本姓】丹羽宇一郎著:幻冬舎新書 P154より
… 老い先短し、いまさら何か新しいことを知ってどうなる。一生懸命本を読んだって仕方がない……そんなふうに悟ってしまうと、せっかくの人生なのに、もったいないと思います。 …
※ 先日も一度紹介しています。

【ヘンリ・ライクロフトの私記】ギッシング作・平井正穂訳:岩波文庫 P70~71より
… 人びとは自分の楽しみのために、自分を慰め、強めるために本を読むのだ。 … … いかにも無駄なようにみえる読書の時間がなければ、人生の終焉を待ちながら、どんな心境をもってこの田舎家で私は生活していったらよいのであるか。 …

『花鳥風月』さんとずっとお付き合いを 

木立前に群生しているカタバミ

この季節〈秋〉になると、成長する草花が限られてきます。

が、カタバミについては、その限りではありません。

※ カタバミは、春から秋にかけて咲きます。 

ほかの草花が成長しなくなった分、とても目立っています。

木立前のいたるところに、カタバミが群生しています。(右上写真)

で、よく見ると、その周りを灰色っぽい小さなチョウがたくさん飛んでいます。

” ヤマトシジミ ” というチョウのようです。

【ネット:コトバンク ヤマトシジミ】より
… 岩手県、秋田県以南の日本全土に分布する … … 都内庭先でもみることが多い。 … … 食草のカタバミがそのような場所に生育するためである。その反面、深山や自然度の高い環境には生息しない。 … … はねの開張は27㎜程度。 … …

 

木立を歩き回るようになって6年5か月が過ぎました。 

今日初めてヤマトシジミに気づいたという次第です。

… カタバミとヤマトシジミの関係 … 、
延いては
… 
『花鳥風月』全般にわたり … 、

” 知らないことが多過ぎるのではないか ”
” ものごとをしっかり見ていないのではないか ”

と反省しました。

今や日々相手にしている『花鳥風月』さんです。
〈相手にしてもらっているといった方が正確かも〉

相手のことをよく理解し、ずっとお付き合いをしていきたい〈させていただきたい〉と思っています。