【日本人の忘れもの:中西進著】を読む

4月にしてはめずらしく雪の日となりました
2019  4 . 2付 日経新聞 3面より
【日本人のわすれもの】中西進著:ウェッジ

4月にしてはめずらしく雪の日となりました。(右上写真)

新聞では、新元号〈令和〉が大きく扱われ、その考案者は、中西進氏〈万葉学者〉とありました。(右中写真)

晴耕雨読を地で行くような生活をしていますので、ちょうど手元にあった氏の著書【日本人の忘れもの】:ウェッジ(右下写真)を読むことにしました。
〈2001年 第1刷発行〉

… 介護者が老人を毎日毎日やさしく撫でていると、具体的に肉体が回復するという … … 理屈をこえた皮膚感覚、人間的対応がいかに大切か … … 人間が人間関係の中で生かされて生きることは、きわめて感覚的で無意識な態度のようでありながら、じつは適切な判断をしているのだと思う。 … P21~22

… 全体のなかに自分がたしかに帰属しているのだという自覚こそ、人間をささえる最大の支点となるはず … P62

… 人間何ほどのこともないのに、わが五感の中に存在するものだけが存在であり、それ以外に存在があると考えるのは非科学的だというのは、思い上がりもはなはだしい。 … P70

… 当用漢字が発表されたとき、ひとりのドイツ人が私に言ったことがある。「日本人はこんなに漢字を制限し、いったいものが考えられるのですか」と。 … P117

… 太陽や月のもつ働きに、我々はもっと目を向けて、自然な循環のなかに体をあずけるべきであろう。 … P176

古典はもちろん、自然〈含 人間〉に関しても造詣の深い中西氏の物言い、日々花鳥風月を相手にしている私にとって、首肯すること大でした。

キタアカリとメークインを植えました

40㎝間隔で種いもを植えました

じゃがいもを植えました。

まず、石灰や肥料を馴染ませた畑に深さ15㎝ほどの溝を掘りました。

小さい種いもは2つに、大きい種いもは4つに切り分け、切り口に灰を付けて芽の出ているところが上になるようにして40㎝間隔で植えていきました。(右上写真)

【キタアカリ】と【メークイン】の2品種をそれぞれひと畝ずつ植えました。

【キタアカリ】
男爵と似ていますが、より食味、香りが強い品種。男爵よりもホクホク感が強いのが特徴ですが、男爵よりもさらに煮崩れしやすいので、、レンジでの調理や加工に向いています。
【メークイン】
男爵と同じくらいおなじみのじゃがいも。長楕円形で表皮はすべすべで皮がむきやすい。粘質ででんぷんが少なく煮崩れがしにくいので、煮込み料理に向いています。ほんのりとした甘みは低温貯蔵でさらに増す、という特徴もあります。
… ネット:valor navi〈バローナビ〉より …

植えた種いもの上にもみ殻を被せました

植え終わった後、植えた種いもの上に、ふた掴みぶんのもみ殻を被せていきました。(右下写真)

もみ殻は土と比べて温かいので、種いもの発芽にとってよいのだそうです。

種いもと種いもの間のところには、脇にある土を入れ、作業の終了となりました。

今回のじゃがいも植えは、私にとってはじめての野菜づくりとなります。

教えてもらったり調べたりしながら、幾種類もの野菜がつくれるよう努めていきます。

『Neo economy』を再度読む

2月25日付 日経新聞 第1面

一週間ぶりに雨が降り、肌寒い日となりました。

先日から気になっていた『Neo economy』の記事を再度読みました。

『Neo economy』の記事について】
2月25日より連日日経新聞〈朝刊〉の1面と5面〈25日は3面〉の二面に渡り掲載されている記事です。(右写真)
主に ” 富の源泉はモノではなく、データや知識など形のない資産に移った ” というようなことが書かれています。

… もはや橋や鉄道が進歩していく時代ではない。コミュニケーションや情報のやりとりが容易になっていく時代だ。富をどう活用し、コミュニケーションをどう幸福に変えていくかが問われている。 …  25日付3面

… シェア経済においては巨大資本を必要としなくなり、GDPの低下につながるだろう。ただ生活の質は高まり、経済を計測する新指標が必要になる。 …  26日付5面

… GDPは豊かさではなく、モノの生産量の指標にすぎない。 …  27日付1面

… 18世紀、アダム・スミスは「国富論」で国民が消費できるモノの量を豊かさだととらえた。生活必需品にも事欠く時代だったからだ。そして現在。豊かさの尺度はモノから時間へと移った。
ドイツの作家ミヒャエル・エンデは「モモ」で、時間泥棒から時間を取り戻す少女の物語を描き、時間とは生きることそのものだと語りかけた。経済や技術の進歩で増える「可処分時間」をいかに自分らしく生き、豊かさに変えていくかを考えるときを迎えている。 …  28日付1面

※ 上記「可処分時間」と私のブログサイトのタイトルである「無所属の時間」が重なるような方向に進んでいくことを願っている次第です。

【この先をどう生きるか:藤原智美著】を読む

【この先をどう生きるか】藤原智美著:文藝春秋

【この先をどう生きるか ~暴走老人から幸福老人へ~】藤原智美著:文芸春秋(右写真)を読みました。

… 〈リタイア後の生き方では〉目的を捨てて行動にのみこだわるということです。言い方を変えると、目的に価値を見出すのではなく、行動に価値を見出すということです。 …P77

… 現代の老人がかつての老人と大きく異なるのは、メディアを通して作り上げられた老人の模範像に自分をあわせようと、悪戦苦闘しているところです。 … P113

… 定年退職するというのは群れを失うことであり、たんに仕事をしなくて楽になるといった単純な人生の転換点ではないのです。これから新たに帰属できる群れを探すか、あるいは自分でつくるか、はたまた個人として「あなたの人生」を強く歩んでいくのか、いくつかの選択を迫られるターニングポイントなのです。 … P119

… 学校や職場、サークルや地域の仲間の間で、自分はどのようにふるまってきたか。だれと競争し、だれと自分を比べ、どんな同調を繰り返してきたか、思い出す必要があります。 … … 今のあなたはもうそんな必要のない時間を手に入れたということを自分に理解させるのです。過去の自分をしっかりふり返ることが、新しい自分をつくる上で必要です。 … P131

… 孤独のなかでは、「書くこと」で自分とのつながりをはかり、持続的な自己対話をはかること。 … P162

… リタイア後に、そのルーティーンがなくなり、毎朝やることが気分によってばらばらで適当になるということがあるかもしれません。それはせっかく身についていた無意識に行っている日々のセルフ・ケアを手放す、じつにもったいないことでもあります。 … P180

藤原氏の著書では、定年退職後の私自身の思いやふるまいに重なる箇所が多々見受けられ、おこがましくも紹介させていただきました。

厳密には ” 自尊心 ” と書くべきでした

【エリック・ホッファー 自分を愛する100の言葉 「働く哲学者」の人生論】小川仁志著:PHP

帰省していた息子を駅まで送って行きました。

帰り道本屋に立ち寄ると、【エリック・ホッファー 自分を愛する100の言葉 「働く哲学者」の人生論】小川仁志著:PHP(右写真)がありましたので、買ってきました。

※ 昨年の秋に発行

134ページに
… 自尊心が自身の潜在能力と業績から引き出されるのに対して、プライドはもともと我々の一部でないものから引き出される価値の感覚である。架空の自己、指導者、聖なる大義、集団的な組織や財産に自分自身を一体化させるときに、我々はプライドを感じる。 …
『The Passionate State of Mind』
とあり、この件について
著者の小川仁志氏(哲学者)が、
… ホッファーは、自尊心とプライドを区別します。自尊心は自分の内側から生じるもので、プライドは外から生じるもの。つまり、自分が何かを一生懸命やってきたとします。そうすれば、必然的に自分はこれだけのことをやったんだという自尊心が涌くでしょう。
当然それは強靭なものといえます。いわば飾りでも作り物でもない、本当の自分です。反対にプライドのほうは、自分に何もないから、不安に駆られて外から力を借りてくるのです。架空の自己、指導者、聖なる大義、集団的な組織や財産といったものから。 … …
と解説しています。

私は、前々回のブログ記事で、エリック・ホッファーは、” 誇り ” を大切にしていると書きました。

厳密には、” 自尊心 ” と書くべきでした。

エリック・ホッファー 自分を愛する100の言葉 「働く哲学者」の人生論