「人生の意味を考えよ」ということか

プレハブ内で読書

積雪20㎝。

降りしきる雪でプレハブ内は薄暗く、午前中はデスクライトを点けながらの読書。(右写真)

午後は、過去にテレビ録画した『ヒトラーの贋札〈にせさつ〉』を視聴。

 

『ヒトラーの贋札』〈2011 5.11録画〉については、ただ録画してあっただけで、内容はまったく知りませんでした。

で、たまたまそれが目についたので本棚から抜き出して再生したのですが、
… 第2次大戦下のナチスの収容所で、ユダヤ人がポンドやドルの贋札〈にせさつ〉を作らされ、それはナチスを利する行為になるんではないかと葛藤する …
というような内容の映画でした。

 

午前中に読んだのは【ある禅者の夜話】紀野一義著〈筑摩書房〉という本で、禅についての本にもかかわらず、フランクル〈収容所より生還したオーストリアの精神科医〉が出ていました。

そして午後の映画は、前述したようにフランクルがかつて収容されていたところが舞台に。
〈フランクルが収容されていた収容所かはわかりません〉

もう一つ。
いま就寝前に再読している【50歳からのむなしさの心理学】榎本博明著〈朝日新書〉にもフランクルが … 。
※ 一読目の感想については、2019 10.5付のブログ記事を。

 

立て続けにフランクルに関連するものが3つも。

偶然の一致か。

はたまたフランクルを読み、「人生の意味を考えよ」ということか。

【緑につつまれて】を読む

【緑につつまれて】アン・レイバー著/明石三世訳:主婦の友社

【緑につつまれて】アン・レイバー著/明石三世訳:主婦の友社(右写真)を読み、とくに印象に残った箇所を紹介します。

 

… … 私たちには、自分たちの想像力を養うためにも、巨大な樹木が必要だ。人生にささやかな神秘を保つために、私たち自身の神話を思い出す必要がある。 … P119

… たとえ正しく使用しても、メトキシクロル〈幅広い害虫に対応する殺虫剤〉には残留効果があり、惑星汚染につながる。だが大事な樹木が危機に瀕したら、あなたはほんの少しだからと、農薬を使うだろうか。それが今世紀の問題だと私は思う。ガーデナーなら、そして地球の番人なら、必ず問いかけてみるべき質問なのだ。 … P144

… ボビー〈著者の知り合いの農夫〉によると、アイリスを育てるのは簡単だ。ただこれだけはわかっていてほしい。植物は、そしてエイミー〈ボビーが飼っている乳牛の名前〉のような牛はけっして、 ” もの ” ではない。 ” 人格 ” をもっているということを。 …
P251

 

著者アン・レイバーは、アメリカのガーデンライターです。

【緑につつまれて】は、ガーデン・エッセイ集で、彼女〈筆者〉自身がオーガニック〈有機肥料、無農薬〉栽培の実践者でもありますので、至るところに経験したことが散りばめられ、とても具体的な内容になっています。

評論家然としたところがないのがいいですな。

野菜や草花だけでなく、家族のこと、人生のことなど、多岐にわたって書かれています。

フランクというか、ストレートというか、日本人が書くエッセイとはまた異なった雰囲気があり、新鮮に感じました。
〈いいとか悪いとか言っているのではありません〉

とくに野菜や草花の栽培に携わっている人には、ぜひご一読を。

上田紀行氏の著書を再読

上田紀行氏の著書 【パッとしない私が、「これじゃ終われない」と思ったときのこと】幻冬舎〈左〉と【立て直す力】中公新書ラクレ〈右〉

12.4付ブログ記事『残念CDプレーヤー故障』で、過去に録画したものを視聴した旨お伝えしました。

で、それらを再生しているときに ” 上田紀行氏 ” が番組の進行役をしていることを知りました。

※ その番組というのは、『Q~わたしの思考探究』という番組で、2011年にNHK教育で放映されたものです。
当時は、『運と人生の関わりとは』『心豊かな生活』など、タイトルに魅かれてただ録画しただけで、誰が出演しているかについてはほとんど関心がありませんでした。

 

「上田紀行〈うえだのりゆき〉 … どこかで見たか聞いたかした覚えがあるんだけど … 。」

あった、あった! プレハブの本棚に。

上田氏の著書が2冊ありました。

【パッとしない私が、「これじゃ終われない」と思ったときのこと】幻冬舎と【立て直す力】中公新書ラクレ(右上写真)です。

上田氏の名前と顔と声と著書が一致しましたな。

ちなみに上田氏は東工大教授であり、文化人類学者です。
NHKアナウンサーの武内陶子氏は彼の奥様とのこと〉

 

上記2冊の著書は、定年退職後に〈新刊〉書店で立ち読みをしていて、「こりゃ、おもしろい。ぜひとも最後まで読んでみたいわ。」と思って買ったものです。

ホンワカとした雰囲気が漂う書きっぷりの中にも〈失礼な言い方かな?〉、人々が幸せに暮らして平和な世の中を築いていくことの強い願いが込められています。

フィールドワークから得た豊かな経験を元に、彼の鋭い知見が披瀝されているのは言うまでもありません。

 

彼の著書を2冊とも再読しました。

以下、印象に残った個所をそれぞれ1箇所ずつ紹介し、当ブログ記事の締めといたします。

【パッとしない私が … 】より
… 満たされていない人は、やたらと大きな数字を追い求めたがりますが、満たされている人は、数字ではなく、その質を重視します。
数字は誰にとっても共通する意味があるものですが、誰にとっても意味のあることというのは、裏返せば私固有の意味にはなりえないということです。 … P34

【立て直す力】より
… 地域の人々と集まって話をすることも大切な要素です。仕事が忙しいときは面倒だなと思うときもあるかもしれませんが、何気ない日常会話ではぐくまれる人間関係は、「経済活動で成果を上げる人間こそ、価値がある」という狭い価値観から距離を置くことができます。 …
P162

【ぜんぶすてれば】を読む

【ぜんぶすてれば】中野義壽著:ディスカヴァー・トゥエンティワン

キウイ棚のエクセル線張りをするも、雨のために作業を中断。

【ぜんぶすてれば】中野義壽著:ディスカヴァー・トゥエンティワン(右写真)を読む。

とくに印象に残った箇所を紹介します。

 

… … 自分をちゃんと保つため、毎日を楽しむために仕事は死ぬまで続けたいものです。それに、仕事をしないということは、生活を誰かに頼ることになる。家族でなければ、国にお世話になる。そんな迷惑はかけたくない。80歳になろうが、90歳になろうが、動ける体と心がある限りは、誰もが働いて、少しでもいいから税金を納めるべきだと僕は思いますよ。 … … たくさん稼ぐほどがんばる必要もなくて、自分ができそうな仕事から始めたらいいんです。公園の掃除を元気な高齢者が買って出る … … そういう小さな社会貢献ができる年寄りはかっこいいし、そうなりたいですね。 … P192~193

 

年金で日々好きなことをして暮らしている者にとっては、耳が痛い。

が、中義壽氏が言うと、自慢でも嫌味でもお仕着せでもなく当たり前のことのように聞こえてきます。

氏の思いや考えを読んでいると、考え抜いたというより、しぜんに口をついて出ているようにも受け取れます。

それがまたすんなり入ってくるんですわ。

偽りのない生活を送ってこられたんでしょうな。

 

前回〈9.19付ブログ記事『【孤独からはじめよう】を読む』〉といい、今回〈当ブログ記事〉といい、
読了後、「わしもがんばらなければ!」という気持ちになりました。
〈ちなみに中野氏は私より一回り上です〉

80歳になろうが、90歳になろうが、動ける体と心がある限りは、働きたいものです。

私の場合は、働くというより集落の中心に位置する木立〈私の所有地:約5,000㎡〉の手入れをしているわけで、氏の言う ” 小さな社会貢献 ” に当たると勝手に解釈しております。

ただ、税金については、年金からの微々たる額しか納めていなく … 申し訳ない。

【孤独からはじめよう】を読む

【孤独からはじめよう】中野義壽著:ダイヤモンド社

【孤独からはじめよう】中野義壽著:ダイヤモンド社(右写真)を読み、とくに印象に残った箇所を紹介します。

 


… 花や緑も人と同じで、丁寧に心をかければ、それだけ伸びる。
「植木を育てるのが苦手で、よく枯らしてしまうんです」という人には、「木の声をちゃんと聞いてみて」と返します。
週に何度か、気がついたときに葉の表面をやさしく拭いてあげて、「今日はいい天気だよ」と話しかけてみる。
植物に話しかけるなんて、と思うかもしれませんが、明らかに育ち方が変わってきます。 … P152~153


… 「さみしさや暇を埋めるために働く」、あるいは「お金のためだけに働く」という間違いは、長らく日本社会が続けてきた終身雇用の会社組織カルチャーによる弊害です。
「いつまでもいていいよ」と許される環境を勘違いして、優しさととらえる人が少なからずいたから、油断して、「個」の力を磨くことをサボる、生産性の低い社員を量産する事態があちこちで起こっている。
本来は誰もが、素晴らしい「個」のポテンシャルを備えていたはずなのに、もったいない。 … P192

 

①については同感です。
定年退職をしてから7年目、木立の手入れに勤しむ傍ら、花、野菜、果樹を育てています。
で、著者の言っていることがよくわかりました。

②については正論そのもの。
今や会社も余剰人員を抱える余裕がなく、著者が言っているような弊害が必然的に無くなっていくと思われます。
かつて私が勤めていた職場のことを思い出すと、私と同年代はさておき、若いみなさん方はしっかりした考えを持って仕事に取り組んでいました。
素晴らしい「個」のポテンシャルを発揮していくことと期待しています。

 

今日も暑かったですな。
近くのホームセンターのトラックを借りて単管等を運んでいたら、あっという間に正午でした。
〈ホームセンターのトラック云々については、前回のブログ記事参照〉
午後は外での作業を控え〈あまりに暑いので〉、室内で読書をすることに。
最近活字から遠ざかっていましたが、久々に一冊の本を読了しました。
著者〈中野義壽:なかのよしひさ〉は寺田倉庫の社長などをなされた方で、著書には、彼〈本著書が発行された時点で77歳〉の豊富な経験に基づいた鋭くしかも普遍性のある考えが余すところなく披瀝されています。