農人日記〈秋山豊寛著〉を読んで

農人日記:秋山豊寛 新潮社

仕事をする上で、仕事に関係するみなさんの顔と名前を覚えることは、基本中の基本です。

退職後、私が日々相手にしているのは主に花鳥風月です。
残念ながら花鳥風月それぞれの顔と名前がほとんどわかりません。
そんことでは花鳥風月との関係がうまくいかないのでは、と心配でした。

そんな折、秋山豊寛氏の書かれた農人日記(のうじんにっき)【新潮社】を読みました。

P.4に次のようにあります。

… この日記は、謂ゆる田舎暮らしにかかわる人間関係というか、農村社会の現状の記録というよりも、商品作物として栽培を始めた椎茸を含めて、稲、麦、蕎麦、雑穀を始め各種野菜や天候、野生動物の活動などについてのメモが中心になりました …

椎茸をはじめ稲や各種野菜、野生動物など、それらの特徴や生態について具体的にとてもわかりやすく書かれています。

秋山氏が植物や動物などを深く理解し、それらに真剣に関わっていこうという姿勢がひしひしと伝わってきます。

とくに植物や動物など、それら一つ一つを個別の名前でていねいに呼んでいるところに感じます。

氏の日記にざっと目を通しても、
… 薊(あざみ)、葛、夏ツバキ、辛夷(こぶし)、海棠(かいどう)、花梨(かりん)、満作(まんさく)、水木、オイカワ、落葉松(カラマツ)、欅(ケヤキ)、柏、ナラ、頬白(ほおじろ)、鶺鴒(セキレイ)、ヘビトンボ、トビゲラ、 … 等々
があげられます。

単に ” 花 ” ” 木 ” ” 鳥 ” ではないのです。

私の目下の相手は、花鳥風月です。顔と名前を覚えて良好な関係を保っていきたいと思っています。

農人日記

いよいよ薪づくり 1

チェンソーで間伐材を玉切り

木立の中に積んであった間伐材(ほとんど杉)を作業小屋の横まで運んできました。

直径約20cm、長さ150cm前後の60本ほどの丸太です。

それらをチェンソーで40cm長に玉切りにしました。(右上写真)

遅ればせながら、今年も9月になって薪づくりに取りかかっている次第です。

本来薪割りをする時期は以下の通りです。

… お盆を過ぎてから薪を割ってもその年の冬には使えない。薪は7月下旬から8月上旬までには割っておいて、夏の猛暑に水分を抜き去ってもらおう。木の中心部さえ乾燥すれば、横殴りの雨に打たれても水分は表面にしか浸透せず、秋雨も大丈夫。 …
〈季刊地域№12【農文協】〉 P27より

でも、私の場合は、今からつくる薪を今年の冬に使う予定です。

3年前から薪ストーブを使っています、毎年9月につくった薪をその年の冬に使ってきました。

何とかくすぶらないで燃えていたようです。

鋼鉄製の時計型ストーブを使っています。ホームセンターで4,000円ほどで購入しました。

杉の薪はススが多くて煙突掃除が大変だとか、高熱になりすぎてストーブをいためるとよくいわれますが、鋼鉄製の時計型ストーブならあまり気になりません。

木立には杉の間伐材、立ち枯れした松などの針葉樹がたくさんあります。時計型ストーブの燃料にすることで、有効活用したいと思っています。

 

退職後ブログ投稿をするに至るまで 2

死ぬほど読書:丹羽宇一郎著  幻冬舎新書

… ブログを投稿するには本を真剣に読まざるを得ない … というところで前回は終わりました。

そのことをとてもわかりやすく書いてある本がありました。

丹羽宇一郎氏〈元伊藤忠商事(株)社長〉が書かれた【死ぬほど読書】幻冬舎新書(右写真)です。

84ページに、
… 原稿を書くときは、実地の調査によって得た情報、資料や本にあたって仕入れた知識を整理し、自分なりに考えたことを読み手にわかりやすく伝える工夫が必要です。… … … 文章を通して多くの人に自分の意見や考え方を伝え、理解してもらうためには、考えながら本を読んだり、資料を分析したりすることが非常に重要だと、そのとき感じたのです。…
とありました。

もし私がブログ投稿していなかったら、今ほど紹介した箇所は鮮明に記憶に残らなかったと思います。

漫然と読み過ごしたのではないかとも思っています。

ブログ投稿していたがために氏の言葉が頭に焼き付いたのです。

ブログを書いて投稿することと積極的な読書はとても相性がいいようですね。

【追伸】
ブログ初投稿から一カ月の節目ということで、現在の自分の思いを述べさせていただきました。
改めて言いますが、このように自由に考えて行動し、ブログまでできるという無所属の時間を許容してくれている家族、そして、みなさんに感謝しております。
今後ともよろしくお願いいたします。

死ぬほど読書 (幻冬舎新書)

退職後 井戸を思う

居場所の井戸

… 高度成長期には下町の工場などで電動ポンプで井戸水を汲みすぎ、それで地盤沈下が起こって、すっかり井戸が悪者にされてしまった。しかし井戸の水を手押しポンプなどで個人が汲んで使う分には。まず問題はない。防災上も井戸は大切。 … 【貧楽暮らし:森まゆみ著 集英社文庫】P129より

同感です。

私のところにも井戸(右上写真)があります。

40年ほどほったらかしになっていますが、中にはまだけっこうな量の水があります。

3年前に水質検査をし、その結果、一般細菌、大腸菌、色度の3つの項目にチェックが入りました。当然飲めません。

現在は、年に2,3回エンジンポンプで水を汲み上げ、その水圧を利用して溝そうじをするときに使っているだけです。

退職した今、もっと井戸水を活用すべく次のように考えています。

1 一度井戸の水を全部汲み上げて底の掃除をする。
〈具体的にどのように掃除をするのか、経験者に聞く。プロの方にお願いすることになるかも。あまりにも高くつくようなら止める。〉

2 全部汲み上げた後、新たに水が入ってくるのか確認する。

3 井戸を掃除した後、再度水質検査を受ける。

貧楽暮らし (集英社文庫)   ツルミ ファミリー水中ポンプ FP-15S-60HZ

定年退職後の限られた時間を有意義に

二つのエアコンの室外機 屋根が鉄板なので一つだけでは十分に冷えない

… 住居でもないプレハブに二つの冷房? …  ぜいたく!と思っている方がいらっしゃるようです。

夏の蒸し暑さに耐えられないからです。
もっと耐えられないのは、蒸し暑いときに、
「 …ああ、暑い! 何もする気がない! ああ、暑いわ!…」
というふうにブツブツ言いながら、ダラダラと何もしないで時間を過ごすことです。(もちろん私のこと)

それで、就職した年(38年前)の夏に、何は買わなくてもエアコンだけは買いました。
〈当時の月給は、手取りで10万円を下回っていたかな? でも、12万円のエアコンを窓に取り付けてもらいました。〉
快適な環境の中で、時間を無駄にすることなく好きなことをしたかったからです。〈現在もまったく同じですね〉

エアコン導入については、先日亡くなられた渡部昇一氏(英語学の碩学)が若いころに書かれた【知的生活の方法】〈講談社現代新書〉の影響もありました。
その中に、
…… 私は、クーラーに心から感謝している。というのはそのおかげで、ヨーロッパの人のように、1年中、本が読めるようになったからである。以前のように夏の3ヵ月をほとんど無為に過ごすことがなくなった。(東京の6月半ばから9月半ばまでの3ヵ月間はあまりに蒸し暑くて頭が働かないということ) ……
とあります。

定年退職後の限られた時間を有意義に過ごしたいですね。

知的生活の方法 (講談社現代新書)