時間をお金で買っている

手元にあるBD,DVD

先日散髪をしてもらっているとき、理髪店の主が、

「〇〇ビデオレンタル店が、近く閉店するそうですよ。 … ネットフリックスやアマゾンなどが広まってきたから、儲からないんでしょうね。」

と話しかけてきました。

お互いよく似た年齢の子どもがいて、〈その子どもたちが小さかった頃〉しばしば借りに行っていたので、話が盛り上がりました。

 

私の場合、子どもたちが自分でレンタル店に行くようになると、レンタル店に足を運ぶことはなくなりました。

で、見たいものがあると直接買うようになりました。

お金もないのに … 。

「借りに行ったり返しに行ったりするのが面倒だから」
というのがその理由だと思い込んでいました。

 

が、理髪店の主と話しているうちにそうでもないことがわかりました。

彼〈理髪店の主〉は現在、ネットフリックスと契約して安価でたくさんの動画を楽しんでいるとのこと。

私はというと、相も変わらずBDやDVDのパッケージを購入。

ほとんど中古ですが(右上写真)、それでも有料ネット動画と比べると高くついていると思われます。

 

有料ネット動画に契約すると、私の場合、
「お金を払った以上、とことん見ないと損や。」と、
見たくないもの
まで見てしまい、延いては時間を無駄にしてしまう気がしてならないのです。

… 時間をお金で買っている … という考え方もできますな。

【朴の木 人生を考える】を読む

【朴の木 人生を考える】唐木順三著:講談社学術文庫

【朴の木 人生を考える】唐木順三著:講談社学術文庫(右写真)を読んで印象に残った個所を紹介します。

 

… 日本の従来の文化、ことに中世以後のそれは、いわば貧楽の文化といえないことはない。
放浪詩人の西行や、方丈の庵に住んだ鴨の長明や、四畳半や三畳のわびた茶室をよしとした千利休や、風情終〈つい〉に菰〈こも〉をかぶるといった一所不在の芭蕉や、五合庵に乞食生活をした良寛や、真葛ガ原〈まくずがはら〉の小庵に住んだ池の大雅や、そういった貧楽人によって、最も高い、日本的文化がつくられてきた。さびとか、わびとか、しぶいとか、じみとか、そういう美的な生活的理念は今日においても死んではいない。日光の東照宮の示しているような、けばけばしく、ごってりしたものもないことはないが、それはすっきりして簡素な桂離宮の美とはけたちがいに下等なものとされている。 …
P162

 

勤めている頃はそうでもありませんでしたが、退職後、木立で無所属の時間を過ごしているうちに貧楽めいたものを実感できるようになってきました。
が、残念ながらまだ ” 貧楽 ” の域には達していません。
そうなるには、上記貧楽人が如何に生きたかをもっともっと学ぶ必要があると思っています。

※ ” 貧楽 ” という言葉をどこかで見たことがあるなと思っていたら、何と過去にこのブログ記事で使っていたのでした。
興味のある方は、2017 8.24付ブログ記事『退職後 井戸を思う』をご覧ください。

〈話をもとに戻します〉
日本には、たとえ裕福であっても、 ” 貧楽 ” あるいはそれに近い暮らしをしている人がけっこういると思われます。
〈ケチとは全く意味が異なります〉
” 貧楽 ” の中に、” ほんとうのしあわせ ” を見ているからでしょうな。
そのような文化を持つ国で暮らせることに感謝しています。

【朴の木 人生を考える】唐木順三著:講談社学術文庫は、再読。
若い頃は今ほどピンときませんでした。
歳をとるのも悪くないですな。

ただただ重症化しないことを願うのみ

都道府県別コロナ感染者数マップ〈ネットより〉

ようやく隣家に一升瓶を持って行きました。

※ 林家より土地を借りています。
で、その謝礼としてお酒〈一升瓶〉をお渡ししています。
時期は年末がよいのですが、今回はコロナに感染していて行けませんでした。
で、今日〈1月7日〉持って行った次第です。

 

午前10時頃隣家に伺いました。

謝礼が遅くなったことを詫びると、主が、

「あんたんとこもそうやったんか。わしんとこもそうやったんや。同じ頃に〈コロナに〉罹っとったんやのおー。 … まあ、お互い軽く済んでよかったわ。」

と。

自分の家だけかと思いきや隣も … 妙に安心して帰ってきました。
〈これって田舎者特有の心境でしょうな〉

 

実は現在、

娘の家庭〈別居〉にも甥の家庭〈隣県に在住〉にもコロナ感染者がいるのです。

昨年の12月以降いずれにも会っていない〈娘と甥も会っていない〉ので、感染源は異なっています。

 

隣家、親戚、そして自分の家と、狭い範囲内を見回してもけっこうな数のコロナ感染者がいます。

おまけに感染源がそれぞれ違っているとなれば、周囲にもけっこうな数の感染者がいることになります。

昨日〈1月6日〉の午後4時の時点で、全国で244,542人いるそうですな。(右上写真)

今感染している人、これから感染するかもしれない人には、

ただ、ただ、重症化しないことを願うのみです。

冬の中休みを有効に使わないと

木立の全景〈木立正面より撮影〉 右下の白っぽいのがブログ記事でよく紹介しているプレハブです。 2023 1.6 10:30AM

朝降っていた雨も上がり、好天とまではいかないまでも風のない穏やかな日となりました。

この状態が午後まで続くと、久しぶりに乾いた道路も見られそうです。

私の住んでいるところ〈日本海側〉は、冬に晴れることはめったにないので、道路が乾いているだけで懐かしくてうれしくなるのです。
〈私だけかな?〉

で、今日は木立の中だけでなく、木立の周りも散歩しました。

ついでに木立の全景をカメラに収めました。(右上写真)

※ ちょっと暗いかな。
太平洋側から来た人がよく言うんです。
「どんよりした空ですな。」と。
私にとっては、これでもけっこういい天気なんですがね。

 

予報によると、今日のような雪のない日が2週間ほど続き、中には日が差して10℃を超すような日も数日あるとか。

昨年、一昨年のことを思い出すと、まさに天国です。

積雪状態だと、外での作業といえば雪かき以外何にもできないですからな。

 

まずは、先日の吹雪で倒れたままになっている杉の処理を。

その後は、木立に散乱している杉葉を整理することか。

できれば処理した杉の枝葉と整理した杉葉の焼却も終えたいですな。

 

せっかくの冬の中休みを有効に使わないと … 。

それが終わるといよいよ厳寒の冬到来ですわ。

【日本のこころ】を読む

【日本のこころ】岡潔著:講談社文庫

【日本のこころ】岡潔著:講談社文庫(右写真)を読んで印象に残った箇所を紹介します。

 


… … 日本は滅びる、滅びると思っていても案外滅びないかもしれない。というのは、日本民族はきわめて原始的な生活にも耐えられるというか、そういうところがあるので、自由貿易に失敗して、売らず買わずの自給自足となっても、結構やっていけそうにも思えるからである。然し日本の不思議な勤勉さ〈や親切さ〉のもとは、どうしても大脳新皮質としか思えませんから、そこだけは大切に守って下さい。 … P302


… パリへ行って、日本にあってここにない何か非常に大切なもののあることを覚り、〈それが「情」であるとはすぐわかったが、それが日本人にどうはいっているかを見ようとして〉日本人〈原型の〉はどんな人か見ようとした。始めはそれを芭蕉翁に求め、ここでいわば鉛筆で素描し、墨を入れるために、十数年道元禅師〈村上天皇7世の孫〉を『正法眼蔵』に追い求め、ついに「生死去来」の4字に追いつめ、これに思いを凝らして彼に会い、日本人の原型を見ると共に自分もそうであることを知った。 … … 日本人は、自分が既にそれであるか、まだ途中であってそうなっていないかを問わず、この日本人原型の自覚がないと、国の内に向けても、外に向けても使えない … … 。
P344~345

※ 著者:岡潔〈おか きよし〉について
純正数学の研究に没頭し、「多変数複素函数論」の分野における「三大問題」といわれる難題に解決を与え、世界的な数学者として認識される。

 

①より
” 失われた30年 ” とよく言われますが、要はここ30年、日本の自由貿易がうまくいかなかったということでしょうな。
その影響か、私の住んでいるところもジリ貧に近い状態ですわ。
が、筆者の言う通り、勤勉さやお互いに助け合うという親切さで何とか暮らしています。
そのような国民の美点に、為政者や企業等のリーダーが甘えているような気がしてならないのですが  … 。

②より
筆者は若い頃フランスに留学され、フランスには日本にあるような「情」がないと気付かれたようです。
それで、日本にあるような「情」の源、つまり日本人の原型を探るべく芭蕉翁や道元禅師に目を向け、彼〈筆者〉にもそれがそなわっていることを知りました。
そしてそれを自覚しない限り自国民とも他国民ともうまく交われない、とも言っています。

私こと
歳を重ねるごとに〈現在66歳〉、心のふるさとに近づいていっている感じがし、また、そこはどんなところなのか、いっそう知りたくなってきました。
心のふるさとを彼の言葉でいうと、日本人の原型ということになるかもしれません。
これを機に、芭蕉、道元関連の本も読もうと思っています。

 

【日本のこころ】岡潔著:講談社文庫は再読です。
若年の頃より今の方が理解できました。
彼がこのエッセイを書いたときの年齢と今の私の年齢がほぼ同じ、ということも関係しているのかな
。