【誠実と日本人】を読む

【誠実と日本人】相良亨著:ぺりかん社

前回のブログ記事の後半のところで、

「 … … 動けんようになったら、今度は ” 社会のお荷物や ” … … 」

と書きました。

※ 上記のことを書くときに、書こうか書くまいか迷いました。
たとえ自分が自分自身に対して言っているとはいえ、
” 言ってはいけないこと ”
延いては
” 思ってもいけないこと ”
のように思えたからです。

 

今日たまたま【誠実と日本人】相良亨著:ぺりかん社(右上写真)を読んでいたら、そのことに対する回答めいた箇所がありました。

紹介します。

… われわれ日本人が、今、しっかりと自分のものにしなければならないのは、 … … 人間とは何かと問うことにおいて捉えられてくる「人間の尊厳」の自覚ではないであろうか。それは他者が尊厳なる人間であることの自覚であるとともに、自己もまた尊厳なる人間の一人であること。しかして社会は、その尊厳なる人間によって構成されていることの自覚ではあるまいか。 … P136

※ 相良氏は、日本人が大切にする「誠実」について、
… 「誠実」のあまり、他者及び自己の「人間の尊厳」にまで考えが及ばないことがある …

という点に注目され、それを解明すべく【誠実と日本人】を著わされました。

 

” 尊厳なる人間 ” に対して ” お荷物 ” だなんて、恥ずかしい限りです。

〈2週間ほど前の〉入院時に、 ” 尊厳なる人間 ” がテーマともいえる【夜と霧】【それでも人生にイエスと言う】〈ともにフランクル著〉も読んだところなのに … 。
〈後に当ブログ記事で紹介したいと思っています〉

まだまだ未熟者 … 精進します。

【仕事なんか生きがいにするな】を読む

【仕事なんか生きがいにするな】泉谷閑示著:幻冬舎新書

【仕事なんか生きがいにするな】泉谷閑示著:幻冬舎新書(右写真)を読み、印象に残った箇所を紹介します。

 

… 問題なく動けて社会適応できている時には気付き難いことですが、私たち現代人は「いつでも有意義に過ごすべきだ」と思い込んでいる、一種の「有意義病」にかかっているようなところがあります。
… … 人が「生きる意味」を問わざるをえなくなるのは、必ずや「意義」を追い求める生き方に疲弊したからなのであって、そこで改めて「意義」を問うてみても、それで何かが見つかるはずもありません。生産マシーンのごとく、常に「価値」を生むことを求められてきた私たちは、「有意義」という呪縛の中でもがき続けていて、大切な「意味」を感じるような生き方を想像する余裕すらない状態に陥ってしまっているのです。 … P107

… 私たちは、もはや「何者かになる」必要などなく、ただひたすらに何かと戯れてもよいのではないか、それこそが「遊び」の神髄だと思います。
… … 「心」の向くまま気の向くまま気軽にやってみる。気が向かなければやらない。「継続」などと肩苦しく考えたりせず、ただ壮大な人生の暇潰しとして「遊ぶ」のです。 … P178

 

著者〈泉谷氏〉は精神科医をなされていて、たくさんの社会に適応できない人たちを診ているうちに上記のような結論に至ったのだと思われます。

「有意義病」 … どちらかというと、私自身も当てはまりそうです。
※ 今まで投稿したブログ記事を ” 有意義 ” の言葉で検索すると、5本ありましたわ。

先日思い切ってヘルニアの手術を受けたのも、「有意義病」と関係しています。

手術を受けるまで、

「一々ヘルニアを気にしとって、仕事〈木立の手入れ〉がまともにできるんかい。そのうち悪化して動けんようになったら、今度は ” 社会のお荷物 ” や。」 … しっかり治してバリバリ働けや!」

という「有意義病」が、私を支配していました。

※ 誰が言ったわけでもなく、私が私自身に言っていたのです。

 

” 無所属の時間 ” というタイトルで、のんびりしたようなブログ記事を6年余りにわたって書いてるけど、「持病」はそんな簡単に無くなりませんな。

これを機に、著者が言っているように「遊び」の部分を増やしていこうか。

彼も春を待っているんでしょうな

冬枯れの木立にて  2024 1.31 2:10PM

昨日の最高気温は9℃、そして今日は13℃。

大寒には珍しく暖かい日が続いています。

風も南寄りの微風で、日中は寒さをほとんど感じません。

※ 朝は、放射冷却現象で凍るほど寒いですが。

 

午後になると、木立内でも日が当たるところは、サンダルで歩けるくらいに地面が乾いていました。(右上写真)

散乱している杉葉もよく乾いていたので、拾い集めることに。

※ 枯れて乾いた杉葉は、焚き付けにうってつけ。
それら杉葉少量と枯れ枝7~8本をストーブの炉に入れ、その上に細めの薪を3本ほど乗せてマッチで火を点けると、容易にストーブが焚けます。

 

段ボール〈30㎝×50㎝×50㎝〉2箱分を拾い集めました。

ひと月分ほどの焚き付けの量になり、これで何とか春まで持ちそう。
〈枯れ枝及び薪についてはすでに十分に蓄えてあります〉

ひと月後といえば、2月も末になっていて、もう春。

その頃になると、一段と暖かく晴れる日も多くなり、乾いた杉葉集めに今ほど難儀することはありません。

 

杉葉を詰めた段ボール箱を持って木立から戻ろうとしたとき、いきなり「ケン、ケン」と勇ましい大きな鳴き声がしました。

声がしたところに目をやると、40mほど離れた田んぼに、赤いトサカで鮮やかなグリーンの胸元の堂々たる雉の雄鶏が … 。

彼も春を待っているんでしょうな。

することがいっぱい

梅〈豊後〉の芽

いい天気になりました。

最高気温は10度といったところか。

日差しを浴びながら、乾いたアスファルト道をサンダルで歩くだけでうれしくなりますわ。

木立前の梅〈品種名は豊後〉の芽もはっきりしてきました。(右写真)

春がついそこまで来ているって感じですな。

 

自宅に戻り、〈元日の大地震の〉罹災証明書申請のために、家屋の損壊箇所の写真を撮ろうとしていると、妻が、

「まだ損壊箇所を全部把握していないし、あわてなくてもいいんでは … 締め切りもまだみたいだし、もっと暖かくなってからすればいいんじゃないの … 災害ゴミについても、提出期限が一か月延びたそうよ。 … 溜めるだけ溜めて持っていくと一回で済むわ … 。」

と。

おっしゃる通り … もっと落ち着いてからすることに。

 

そうそう、ケンタ君〈飼い犬〉の小屋が置いてある建物も、地震以来雨漏りが酷くなったのでした。

春になったら、はしごで上って屋根の様子を見てみないと … 。
〈シリコンとコーキングガンで自分で直す予定です〉

 

〈木立にある〉井戸も然り。

コンクリート管のつなぎ目に隙間ができたようです。

幸いにも地上部に近いところなので、井戸に入らなくても何とか修理ができそう。

※ 今回の地震で井戸の重要性が再認識されました。

 

退院してから1週間が過ぎ、体調も戻ってきました。

することがいっぱい。

がんばらないと。

【老いに挫けぬ男たち】を読む

【老いに挫けぬ男たち】小島直記著:新潮社

【老いに挫けぬ男たち】小島直記著:新潮社(右写真)を読み、印象に残った箇所を紹介します。

 

… … 復員してからはときたま軽い風邪を引く程度で、医者に見てもらったことはまったくなかった。
しかしそのことが「自分は丈夫だ」という過信を生み、朱新仲〈中国宋代の儒者〉のいう「生計」〈いかにして健康な毎日を送るか〉をかえりみなかった根本原因をつくったように思われる。「癌」という恐ろしい病気があることを知っていたが、自分とはまったく関係がない、と思っていた。 … P252

… 60歳の早春から、私は「花粉症」にかかるようになった。50代までは一度もそういうことはなかったのに、なぜ還暦とともにそうなったのか、急にアレルギー体質に変わったのはどういう意味なのか。そのことを考え、あるいは専門医に聞いて、それに応じた対策=「生計」を講ずべきであったのに、それをしなかったのである。 … … 外に出ると眼が痛み、クシャミが止まらなくなるので、できるだけ外出しないようにした。 … … そしてさらに、花粉のシーズンがおわっても、惰性で外に出歩くことが少なくなった。それを数年続けるうち、足がおのずと弱くなってしまった。 … … しかも一歩も外に出ないで、一日中ワープロを打ち続ける日が、全集の仕事がはじまった66歳の春から68歳の秋まで続いたのだ。そしてその仕事が終る頃に痔が悪化して肛門の出血がひどくなった〈これは直腸癌の決定的な徴候の一つだそうである〉。そのうち起きておれないほどの疲労感で、床につく日が多くなり、「古希」を迎えた今年の誕生日の翌日にはついに入院して、「直腸癌」ということでその手術を受ける始末となったのである。 …
P253

 

小島直記氏については今回で3度目。
〈1度目 … 2021 1.18付『【人生まだ七十の坂】を読む』〉
〈2度目 … 2021 1.19付『【出世を急がぬ男たち】を読む』〉

小島氏の人物評の基準は ” 私心がない ” ことにあり、いつ読んでも胸がすく思いがする。

当著書には、モンテーニュ、高杉晋作、上田敏などが挙げられているが、今回は上記のように小島氏が入院するに至った経緯が書かれている箇所を紹介した。

今の私の年齢〈67歳〉と同じ頃に体に変調を来たし、その後、入院されたからである。
〈私も1週間ほど前にヘルニア手術のために入院していました〉

同じ病気でも、直腸癌とヘルニアではかなり隔たりがありますが、他人事と思えず、あえてピックアップした次第です。

 

健康にはホントに気をつけていきたいですな。