【ある禅者の夜話】を読む

【ある禅者の夜話】紀野一義著:筑摩書房

前回のブログ記事で少し触れた【ある禅者の夜話】紀野一義著:筑摩書房(右写真)を読了したので、とくに印象に残った箇所を紹介します。

 

… この『〈正法眼蔵〉随聞記』というのは、読むほどに心にこたえる。 … … よく『正法眼蔵』が分らなぬという人があるが、それは黙読ばかりしているからである。大声で読めば、道元禅師の心身の中に流れていたリズムがいつのまにかこちらに伝わってくる。そして、いつのまにか分るようになるのである。 … P27

… たまたま道元は運がいいから、そういう〈立派な〉お坊さまにめぐり合ったというふうにいいがちだが、これを運、不運で片づけるのは間違っている。われわれのまわりにでも、そういう人は必ずいるのである。ただ自分がその人を引っぱり出すだけの力がないのである。 … … P106

… お墓にも霊がというものがある。だから、お墓の竿石〈さおいし〉は、敷石などに使ってはいけないという。 … … 人間の理性とか、合理的な判断とかで解決できないものが、この世にはたくさんあるのである。 … P154

… … 中世の日本人がもっとも日本人らしかったということは事実である。今の日本の仏教は、ほとんど中世の仏教である。鎌倉時代に成立した日本的仏教ばかりである。禅宗しかり、真宗しかり、日蓮宗しかりである。日本的文化遺産で今日残っているもので、特徴があって、すぐれたものは、みんな中世の影響を受けたものばかりである。 …
P227

 

当著書のタイトルの『ある禅者』というのは道元禅師のことで、『夜話』というのは、道元禅師が、夜、何気なく話されたことです。

それら話されたことを侍者の懐奘〈えじょう〉が記録し、現在『正法眼蔵随聞記』として残っています。

つまり【ある禅者の夜話】は、『正法眼蔵随聞記』について書かれた本ということになります。

 

上記で紹介したように、『正法眼蔵随聞記』の原文をもとに、著者紀野一義氏〈仏教学者,宗教家〉の解釈や鋭い知見が、平易な言葉でわかりやすく述べられています。

著者は学徒動員で南方に出征して生死の境をさまようような体験もなされ、中途半端な言い方がなく、そのことも手伝ってか道元の思いがストレートに伝わってきます。

 

私は真宗の門徒ですが、禅宗についても勉強をしていきたいと思っております。

… みんなが幸せに暮らせるんなら …
… みんながいい人生を送れるんなら …

宗派は問いません。

「人生の意味を考えよ」ということか

プレハブ内で読書

積雪20㎝。

降りしきる雪でプレハブ内は薄暗く、午前中はデスクライトを点けながらの読書。(右写真)

午後は、過去にテレビ録画した『ヒトラーの贋札〈にせさつ〉』を視聴。

 

『ヒトラーの贋札』〈2011 5.11録画〉については、ただ録画してあっただけで、内容はまったく知りませんでした。

で、たまたまそれが目についたので本棚から抜き出して再生したのですが、
… 第2次大戦下のナチスの収容所で、ユダヤ人がポンドやドルの贋札〈にせさつ〉を作らされ、それはナチスを利する行為になるんではないかと葛藤する …
というような内容の映画でした。

 

午前中に読んだのは【ある禅者の夜話】紀野一義著〈筑摩書房〉という本で、禅についての本にもかかわらず、フランクル〈収容所より生還したオーストリアの精神科医〉が出ていました。

そして午後の映画は、前述したようにフランクルがかつて収容されていたところが舞台に。
〈フランクルが収容されていた収容所かはわかりません〉

もう一つ。
いま就寝前に再読している【50歳からのむなしさの心理学】榎本博明著〈朝日新書〉にもフランクルが … 。
※ 一読目の感想については、2019 10.5付のブログ記事を。

 

立て続けにフランクルに関連するものが3つも。

偶然の一致か。

はたまたフランクルを読み、「人生の意味を考えよ」ということか。

再び ” 人生に悔いがないように ”

カブ畑

震えながら木立を回っていると、何とこの寒いのに、木立近くのカブ畑(右写真)で、合羽姿の知人が作業をしているではありませんか。

 

「おはよう。寒い中お疲れさん。 … 別のもっと暖かい日にできんのかいな … 。」

「あんがと。 … まあ、誰から強制されたわけでもないし、好きでやっとるんです。 … 趣味といった方が当たっているかも … 。」

「それにしてもようやるわ。」

「こんなもん序の口です。 … 〈近くの山に目をやりながら〉昨日あそこの山の畑で仲間と仕事をしたんです。あそこにはヤギも飼うとります。 … 〇〇さん〈私のこと〉も知っとる思うけど、日本の食料自給率は4割を切っとるんです。 … 何をさておいても、生存に直結する食料は自前でやらんと … 。」

※ 彼〈知人:私より2歳年下〉は、かつて組織の一員として農業関係の仕事をしていました。
定年退職してからは、集落の農業法人の一員となり、その傍ら農業活性化、地域起こし等、手弁当同然で幅広く活動しています。

 

「〇〇さん〈私のこと〉も、好きで木立の手入れをしているように見えるけど。 失礼ですが、俺同様、全くお金にならないようにも見えます。 … まあ、好きなことをとことんやっていれば、彼岸からお呼びがかかったとしても、後悔は少ないでしょうね。」

 

昨日に続き、 ” 人生に悔いがないように ” でした。

人生に悔いが残るような気がして

午後、友人と久しぶりに話しました。 … プレハブ内で

午後、友人が久しぶりに訪ねて来ました。

申し合わせたように、この前訪ねてきた知人と同じようなことを言いました。

※ この前知人が言ったことについては、12.11付ブログ記事『2学期は通知簿の5段階評価でいうと5か』をご覧ください。

 

短くいうと、温州ミカンの雪囲いとキウイの棚を素人ながら上手につくったということになりますな。

もう一つ、40m余りに渡る丸太の土留めにも感心していました。

「あのでかい丸太〈長さ1,8m,径20㎝〉を何十本も、一人で運んで埋めたんか。 … いくら暇やいうても、ふつうはそんなことできんわ。立派、立派 … 。」

と。

彼とは小学校からの同級生の間柄で、お世辞を言うタイプでもないので、そのように言われて褒められた気分になりました。

3時間ほどプレハブで話したでしょうか、ホントに楽しい時間でした。(右上写真)

 

彼の現在の住居は都会にあります。

が、土をいじることが大好きなので、定期的に帰省して熱心に屋敷の手入れをしています。

彼曰く

「仕事に一区切りついたら、おまえ〈私のこと〉みたいに一日中自然に浸かっていたいわ。 … 歳をとってきたら〈彼も67歳〉、元々好きやった土いじりが無性にしたくなってきたんや。 … そうしないと、何か人生に悔いが残るような気がして … 。」 

 

同感ですな。

日没が遅くなり妙にうれしい

同じ時刻でも、2週間ほど前と比べて明るくなりました。   2023 12.19 4:45PM 木立前で

ケンタ君〈飼い犬〉の散歩を終え、今しがた〈午後4時45分〉木立に戻ってきました。

小雨の中での散歩でしたが、そのような天気でも、2週間ほど前と比べると、明るくなりました。(右写真)

今や日没の最も早い時期は終わり、これから来年の夏至過ぎにかけてだんだん遅くなっていきます。

 

が、日の出がそれ以上に遅くなっていますので、昼の長さ〈日の出から日没までの時間〉が長くなっているとは言えません。

昼の長さが最もに短くなるのは、つまり冬至は、明々後日の12月22日で、若干のずれがあります。

それ以降に昼が長くなっていきます。

 

かつて私は、
冬至の日は、1年のうちで日の出が最も遅くて日没が最も早く、
夏至の日は、日の出が最も早くて日没が最も遅い、
それで、冬至の日は最も昼が短く、夏至の日は昼が最も長い、
と思っていました。

大人になってから、日の出、日没時刻は冬至、夏至に必ずしも一致しないことを知りました。

※ 人と話をしていると、かつての私のように思っていらっしゃる方がけっこういますわ。

 

6年前に定年退職をしてから、日がな一日自然を相手にしているうちに、そのことを身をもって実感するようになりました。

何はともあれ、日没が遅くなっていくのは妙にうれしいですな。