【生きがいについて:神谷美恵子著】を読む

【生きがいについて】神谷美恵子著:みすず書房

昨日、今日と【生きがいについて】神谷美恵子著:みすず書房(右写真)を読みました。

印象に残ったくだりを紹介します。

① … 〈生きがいの特徴〉第1の明白な点は、生きがいというものがひとに「生きがい感」をあたえるもの … … 。 第2の特徴は、 … … 実利実益とは必ずしも関係がない … … 。 第3に … … 「やりたいからやる」 … … 。 第4に … … 個性的なもの … … 。借りものやひとまねでは生きがいたりえない。それぞれのひとの内奥にあるほんとうの自分にぴったりしたもの … … 第5に、生きがいはそれを持つひとの心にひとつの価値体系をつくる性質を持っている。 … … 第6に … … そのひと独自の心の世界をつくる。 … … P81~83

② … 生活のために働いていなければ人間としての値打ちがないということならば、世のなかには、ほかにも同列のひとがたくさんいるはずであるが、彼らはみな価値がないことになるのであろうか。
こういうものの考えかたの根底には、人間の価値は経済力によってきまる、という価値判断がある。 … P166

③ … 私たちは幸か不幸か現世のなかで自分の居どころをあたえられ、毎日のつとめや責任を負わされ、ひとや物事から一応必要とされて忙しく暮しており、そのおかげでこの虚無を、この「空」をなんとか浅くまぎらしている。どうして私たちではなく、彼ら〈長島愛生園のらいのひとたち〉が、何一つまぎらすものもなく、はだかのままで毎日この恐ろしい虚無と顔をつきあわせていなくてはならないのであろうか。
この問いに答はないのであった。答のないことを自覚する者は、自己陶酔に安住することを許されず、この虚無を克服するすべを、社会のありかたのなかにも、毎日の生活のいとなみかたのなかにも、心の持ちかたについても、探求しつづけなくてはならない。 … P279

【感想】
①について
「生きがいの特徴」について、細かく具体的に説明されていましたので、よくわかりました。
②について
定年退職後、稼ぎのない自分に価値がないのではないかと思ったことがありました。
著者〈神谷氏〉の文章で癒されました。
と同時に、自分が抱いていた価値判断に気づかされ、至らなさを感じました。
③について
長島愛生園のらいのひとたちだけでなく、〈自分も含めて〉職を離れたひとたちにも当てはまることではないでしょうか。
” 答えはない ” 故に ” 探求しつづけなければならない ”
おっしゃる通りだと思います。
私の探求している姿につきましては、
今後も、本ブログで、お伝えしていきたいと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です