【ゼロの焦点】を視聴する

ユーチューブより

雨が降ったり止んだり。

午後はユーチューブで【ゼロの焦点】〈1991年版テレビドラマ 原作:松本清張 脚本:新藤兼人〉(右写真)を視聴しました。

 

50年近く前に一度小説で読んでいます。

米兵を相手に働いていた女性〈室田佐知子〉がボートに乗って海に漕ぎ出る、という最後の場面だけは覚えていました。

映画、テレビドラマを問わず、動画は今回が初めてです。

【感想】

① 最近ほとんどドンパチもののサスペンスドラマを見ていたせいか、登場人物のゆったりとていねいに話す言葉にむしろ新鮮さを感じました。
時代は昭和34年〈今から60年余り前〉の春ですので、現在と比べると何事も全体的にテンポが遅かったんでしょうね。

② 鵜原禎子役の真野あずさが、ちょっと恰好よ過ぎるのでは … 。
彼女が主役をすることによって視聴率は上がると思います。
が、時代背景を考えると、やはり垢抜けし過ぎているのでは … 。

③ 〈登場人物の〉田沼久子の生まれ年が昭和2年と知ったとき、親戚の主のことが頭に浮かびました。
※ 親戚の主については、8.17付ブログ記事『親戚の主』を参照。
確か彼も昭和2年生まれだったと思います。
彼は若い頃予科練にいたらしく、前線に出る寸前に終戦になったと聞いたことがあります。
また、戦後もほんとうに厳しい時代だったとよく言っていました。
〈残念ながら今はほとんど話せない状態です〉

 

戦後を懸命に生きた人たちにどうして悲劇が次々と襲いかかったのか。

どの人たちにも大なり小なり戦争の傷跡が癒えずにのしかかっていたことが原因だと思いました。

 

小説をもう一度読みたくなりました。

【大不況には本を読む】橋本治著 を読む

【大不況には本を読む】橋本治著:中公新書ラクレ

【大不況には本を読む】橋本治著:中公新書ラクレ(右写真)を読み、印象に残ったくだりを紹介します。


… そもそも日本人には「どう生きるかなどという面倒なことを考えず、仕事という実際的な行為に集中していればよい」という傾向があるので、「人間のあり方」というような面倒な問題は、あっさりと排除されてしまいます。「どうすればいいのか?」でふらつく日本の哀しい現在は、そこに由来するのだろうと、私は考えるのです。 … P185


… 「18世紀の後半に起こった産業革命は、それまでの世界のあり方を変えてしまった。その新しくなった ” 世界秩序 ” が日本にやって来て、日本は150年前に開国した。でもその ” 150年 ” は、もう壁にぶつかってしまった。だから本を読んで、その ” 150年分 ” を考え直そう」
つまるところ、「近代の見直しをすべきだ」です。 … P209


… 「で、どんな本を読めばいいんですか?」 … … 残念ながら私〈橋本氏〉には、それに対する「答」の持ち合わせがありません。 …
P214


… どんな本でもいいから、とりあえずは片っ端から読んでみればいいのです。 … P229


… 過去に書かれた本を読み返しても、ロクなものは出て来ないかもしれません。しかし、それを明確に知るというのは、とても重要なことです。「自分たちの ” 壁にぶつかってしまうような現在 ” は、こんな甘い認識の上にのっかっていたのだな」ということが分かります。それは同時に「不問に付されていた自分のいい加減さを知る」ということでもあります。
逆に、「忘れられた本」の中に「とんでもなく重要な一節」を発見することだってあるかもしれません。「こんな重要なことが、なぜ埋もれさせられたままになっているのだろう?」と思うかもしれませんが、それこそが、「これからの時代を生きて行くための鍵」です。 …P230 

 

①について
まさに私がそうです。
かつては橋本氏のいう通り、「仕事という実際的な行為に集中していればよい」という人間でした。「どう生きるか?」までは、なかなか … 。
で、今は?
「どう生きるか?」については、以前より考えるようになったかな。
でも、「 ” 野良仕事 ” という実際的な行為に集中していればよい」という面もけっこうあるかも … 。

②~⑤について
実は、【大不況には本を読む】は最近読みました。
⑤の後段で橋本氏が述べているように、「こんな重要なことが、なぜ埋もれさせられたままになっているのだろう?」という感を強く抱きました。
物置には、学生時代からの本がまだ半分ほど残っています。
〈死ぬまでにできればもう一度読みたいなという本は残しました〉
生きる指針にしていきたいと思っています。

… 追伸 …
橋本氏は、一昨年に70歳でお亡くなりになったそうです。
心よりご冥福をお祈りいたします。

とことん好きなことをしたらええわ

まさにモーニンググローリーですな

今日もアサガオを眺めてから一日がスタートしました。(右写真)

 

午前中、木立前道路脇の除草をしているときでした。

ワゴン車が止まりました。

近所の男が車から降りてきました。

「おはようございます。 … 昨日は畔草刈りで今日はここで草むしりですか。 … 暑いさ中、毎日精が出ますね。」

「今じゃ勤めもないし、除草も大事な仕事の一つや。 … ところで、アンタ、最近定年になったそうやけど、長い間ホントにたいへんやったのお。お疲れさま。 … 雇用延長はするんかいのお … 。」

「ありがとうございます。 … 雇用延長ですか。 … … 私が勤め始めたころは、まだ家の近くに営業所があり、そこに通っていました。 … が、10年ほど前にそれがなくなり、県庁所在地に一営業所だけとなってしまいました。 … で、ここ10年ほどは、毎日片道1時間半ほどかけてそこに通っていました。 … が、定年〈60歳〉後もそれが続けられるかというと … 何だか自信が持てなくて … 結局雇用延長をしないことにしました。」

「そうか。 … 思うようにいかんもんやのお。 … まあ、働くだけ働いたんやし、しばらく休めや … 。」

「はい、そうしようと思っています。」

 

別れ際に彼に一言。

「ワシもそうしとるけど … 人に迷惑かけん程度にとことん好きなことしたらええわ。」

『もう一人の自分』が健在である限り

畔草を刈り終えました

頼まれていた田んぼの畔草を刈り終えました。(右写真)

あとで係の方が報酬を持っていらっしゃいます。

報酬は草刈機の償却代と油代程度といったところでしょうか。
〈ホントに安い〉

半ばボランティアですな。

※ 他集落では刈る人がいなく、除草剤で済ませているところもあるようです。
当集落も、いずれはそうなるかもしれません。
除草剤で茶色に枯れた1mほどの畔草に囲まれた田んぼ … 田園風景とは言えないですな。

 

畔草刈り … 少々雑な作業をしても、報酬にはまったく影響しません。

やり直しをさせられたという話もこれまた聞きません。

楽をしようと思えば、できないわけでもありません。
〈一応係の方が除草跡を見にいらっしゃいますが〉

 

では、頼まれたからといって、報酬が安いからといって、半ばボランティアだからといって、お座なりでよいのか?

それはできませんな。

たとえ係の方が許してくれても、心の中の『もう一人の自分』が許してくれませんな。

 

見かけの自分は、歳とともに目、歯 … 等、体のいたるところが衰えてきました。

が、心の中にいる『もう一人の自分』は、かつての仕事に対する姿勢をいまだに保っているようです。

それゆえに今回の畔草刈りも、なんとか恥ずかしくない程度の仕上がりとなりました。

 

『もう一人の自分』が健在である限り、畔草刈りを続けたいと思っています。

コロナの影響がこんな田舎にまで

遅れて咲いた一輪のヒマワリ

昨日の午後6時頃でした。

作業を終えて行きつけの理髪店に行きました。

入り口のドアに

『まことに恐れ入りますが、県外のお客様はお断りいたします。』

との貼り紙がしてありました。

そのようなことは初めてでした。

 

〈もちろん私はそれに該当しませんので〉店に入りました。

すると、主が、髪を切っていた手を休め、

「〇〇さん〈私のこと〉ゴメン。 … 今日はもう店仕舞いです。 … いま時短営業しているんです。」

きょとんとしていると

「コロナ感染防止のために先日からいつもより1時間早く店を閉めているんです。 … 申し訳ありません … 。」

「ああ、そうでしたか。 … いやあ、木立に籠ってばかりいると世間のことに疎くなりますわ。 … また出直します … 。」

と言って、店を後にしました。

こんな田舎にまでコロナの影響が及んでいるんですな。

ホントに驚きました。

 

話は変わりますが、2~3日前に一輪のヒマワリが咲き始めました。(右上写真)

そのヒマワリは、他のヒマワリに比べて成長が著しく遅いので気にかかっていました。

が、どうでしょう。

見事に花を咲かせました。

他のヒマワリはすべてうなだれてしまい、そのヒマワリだけが堂々と正面を向き、ひときわ輝いています。

赤、紫、ピンク、白のアサガオの隣に鮮やかな黄色のヒマワリ … 。

晩夏の木立前をいっそう彩っています。