【自助論】スマイルズ著 を読む

【自助論】スマイルズ著/竹内均訳:三笠書房

今日も終日悪天候。

【自助論】スマイルズ著/竹内均訳:三笠書房(右写真)を読む。

印象に残ったくだりを紹介します。

 

… たとえ努力が水泡に帰そうとも、ベストを尽くしたと感じているならそれで満足できる。 … P87~88

… 失われた富は勤勉によって元通りにできるかもしれない。失われた知識は勉学によって補充でき、失われた健康は節制や薬で取り戻せるかもしれない。だが、失われた時間だけは永遠に戻ってはこないのだ。 … P125

… 単なる知識の所有は、知恵や理解力の体得とはまったく別物だ。知恵や理解力は、読書よりもはるかに高度な訓練を通じてのみ得られる。一方、読書から知識を吸収するのは、他人の思想をうのみにするようなもので、自分の考えを積極的に発展させようとする姿勢とは大違いだ。
… … われわれは自分が「いかにあるべきか」、そして、「何をなすべきか」を自分自身で選び取る必要がある。単なる読書にうつつをぬかし、他人の人間像や行動をほめたりけなしたりしてそれで満足というのでは困る。すぐれた知識はそのまま自分の生活に反映し、すぐれた思考はそのまま自分の行動に結びつくはずだ。 … P178~180

… いくら貧しくとも誇りを高く保ち、誘惑をものともせず、身を落とすようないやしい行為をもきっぱり拒絶している人間を見るにつけ、われわれは尊敬の念を禁じ得ない。 … P180~181

… 人間の言動は、あとあとまで何らかの形で他人に波及していく。これは打ち消しがたい厳粛な事実だ。どんな人間でも、われわれの生活に多少とも感化を及ぼし、知らず知らずのうちに影響を与えている。
立派な行動や言葉は、それが結局は実を結ばないものであっても、いつまでも人の心に生きつづける。悪しき行動や言葉の場合も同じだ。 … P202

 

【自助論】は1858年〈日本でいうと幕末の頃〉に出版されたとのこと。

その内容は今でも十分通用するように思いました。

とくに上記3つ目のくだりの
「いかにあるべきか」、そして、「何をなすべきか」については、
若い人や現役で働いている人たちだけでなく、退職者にとっても大切なことに思いました。

むしろ退職者にとってより大切なことかも … 。