【百歳までの読書術】津野海太郎著:本の雑誌社(右写真)を読み、印象に残った箇所を紹介します。
… … 50代の終わりから60代にかけて、読書好きの人間のおおくは、齢をとったら自分の性にあった本だけ読んでのんびり暮らそうと、心のどこかで漠然とそう考えている。現に、かつての私がそうだった。
しかし65歳をすぎる頃になるとそんな幻想はうすれ、たちまち70歳。そのあたりから体力・気力・記憶力がすさまじい速度でおとろえはじめ、本物の、それこそハンパじゃない老年が向こうからバンバン押しよせてくる。あきれるほどの迫力である。のんびりだって?じぶんがこんな状態になるなんて … … P7
先日、菜園横物置にある本を整理しているときに、タイトル名に引かれて手に取ったのが当著書。
ページを開くと、一度読んでいるような … 。
※ いつ読んだのか、まったく記憶なし。
が、至るところに、私が赤鉛筆で引いたラインが … 。
病み上がり〈ヘルニアの手術後〉で体が弱っていたせいか、上記の箇所が目に飛び込んできました。
物置では落ち着かなく、プレハブに持ってきてじっくり再読しました。
幸田露伴、唐木順三 … 等、著名な作家たちの晩年の様子が紹介されていて、年老いてからの読み書きをすることの難しさを知りました。
一読目のときのことが記憶に残らなかったのは、私自身まだ若く、病気知らずの元気者だったので、 ” 体力・気力・記憶力のすさまじいおとろえ … ” と言われても他人事と思い、読み流してしまったんでしょうな。
初めての入院を経験し、年齢も70歳に近づいてきたことも手伝ってか、以前にしっかり読めなかった本が読めるようになりました。