【漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?】加藤徹著:光文社新書(右写真)を読み、二つのことを思い出しました。
今回は、それらをお伝えします。
・漢字を全廃した地域 ……北朝鮮・ベトナム
・漢字の全廃を予定していた地域 ……中国
・漢字を極端に制限した地域 ……韓国
・漢字を簡略化して使っている地域 ……日本
・漢字を無制限に使っている地域 ……台湾・香港
… P17より
25年前にベトナム〈漢字を全廃〉へ行ったときのことを思い出しました。
※ 詳細は、2.9付ブログ記事『【私の大事な場所】ドナルド・キーン著 を読んで』をご覧ください。
現存の最古の歴史書は、和化漢文で書かれた『古事記』(712年成立)と、純正漢文で書かれた『日本書紀』(720年成立)である。
8世紀の初めの時点で日本が自国の歴史書を持ったということは、驚くべきことである。
中国の周辺民族の多くは、自分たちの民族独自の歴史書を作らなかった。
… P110より
かつて古文の授業で記紀を習ったとき、
「記紀については、つくり話のような箇所もあり、また、この前の戦争との絡みもあるので読む人は少ない。 … が、日本の歴史書である。 … 授業で勉強するのは一部だけ … 機会があれば、現代語訳でもいいから、全部読むことを薦めたい … 。」
と、先生が静かにおっしゃったのを思い出しました。
※ 手元に現代語訳付きの記紀を揃えました。
当著書を買ったとき、私にとってハードルの高い本なのではないか、と心配でした。
が、読むととてもわかりやすくておもしろく、短時日で読み終えました。
プロの漢学者や文人を対象にしたものではなく、著者の考えが平易な言葉で述べられています。
漢文の由来を軸に日本の文化が語られている本です。