先日、【たとえ世界が終わっても】橋本治著:集英社新書を読んでいると、
… 私は最近、小林秀雄が数学者の岡潔と対談している【人間の建設】〈新潮社、1965年〉を読み始めたんですね。 P168 … とありました。
!
奇しくも、橋本治が【たとえ世界が終わっても】の中で言っている本、つまり【人間の建設】(右上写真)を古本屋さんで同時に買ったのでした。
内容を吟味して買ったわけではありません。
いつものごとくまずはタイトルと著者で決め、あとは中身をパラパラと確認しただけで買いました。
※ 私が買った【人間の建設】は、1965年のものを底本とし、平成22年に文庫版として発行されたものです。
で、【たとえ世界が終わっても】を読了後、【人間の建設】を読みました。
その中で、岡潔は、
… 数学は知性の世界だけに存在しうると考えてきたのですが、 … … 数学の体系に矛盾がないというためには、まず知的に矛盾がないということを証明し、しかしそれだけでは足りない、銘々の数学者がみなその結果に満足できるという感情的な同意を表示しなければ、数学だとはいえないということがはじめてわかったのです。 … … 矛盾がないというのは、矛盾がないと感ずることですね。感情なのです。 … P38~39
と言っていました。
一昨日、たまたまユーチューブで伊木ヒロシの番組〈タイトル名…第六感を使いこなせ〉を視聴していると、彼が、
… 思考形成の中枢を占めているのは、感情 … … ぼくたちは、感情をベースにし、それが知性に働きかけることによって物事を考えている。 …
というアントニオ・ダマシオ〈米:脳科学者 1944~ 〉の考えを紹介していました。
60年近く前に岡潔が言っていたこと〈上記〉と同じではないですか。
本、ユーチューブと偶然の一致が続きました。
そのことは一体何を意味しているのか?
知性も大事だけど、素直な ” 感情 ” がもっと大事だということでしょうな。