タラの芽が出る季節に

タラの芽 … あと3日ほどすれば収穫できますな

切株の周りの土を取り除いていると、集落の男がやって来ました。

 

「今年もタラの芽を採らし〈せ〉てくれんかのお。」

「〇〇さん〈集落の男の名前〉の山も、去年たくさんの杉を伐採して日当たりがようなったし、タラの木が生えてきたでしょうが。」

「それが何も生えてこんのや。 … で、今年もと … 。」

「ああ、必要な分採ったら連絡するし、残っとる〈残っている〉うちの半分ほど採ったらええわ。」

 

木立を所有するようになった10年ほど前は、タラの木は10本余りしか生えていませんでした。

が、木を伐採して日当たりがよくなると、見る見るうちにタラの木が増えました。

タラの木には棘があるので、服が引っかかって作業の妨げになることが多く、また、指なんかに刺さるとホントに痛い。

で、3~4前からけっこう取り除いているんだけど、なかなか減らなくて … 。

 

現在木立に生えているタラの木は、200本ほどか。

大きな木になると複数の芽が出るので、芽の数は優に300個を超えるだろう。(右上写真)

私の家族や親戚はタラの芽を好んで食べることもなく、春の訪れを味わう程度で、全部で70個もあれば十分。

残りは、今日訪れた集落の男と父の知人が半々に採るのが例年のパターン。

彼らの様子を見るに、食べるというよりむしろ芽をもぎ取ることを楽しんでいるようだ。

改めて家族に感謝

梅〈品種名:豊後〉の花

みぞれ降る寒い日。

寒の戻りですな。

プレハブに籠っていると、知人が訪ねて来ました。

 

「昨日、あんたんとこの前を通ったんやけど、薪割りで忙しそうやったし、声をかけんかったんや。で、今日は寒うて仕事しとらん思うて来たんやけど … 。」

「おお、大歓迎や。入れや。」

彼〈知人〉は私と同い年。

家庭の事情でまだ勤めており、来年度〈4月以降〉も続けるとのこと。

 

1時間余り話をしたろうか。

体力の衰えについてしきりに言うてましたわ。

彼には先祖代々からの広い山林があり、以前までは「山林の手入れは仕事を辞めてからや」と考えていたらしい。

が、最近の急激な体力の衰えにより、自信がなくなってきたという。

おまけに「昨日のあんた〈私のこと〉の働きぶり〈薪を割っている様子〉を見た限りではまだまだ行けそうや。ええなあ。」と言う始末。

 

私も、最近とみに体力の衰えを感じています。

彼との違いは、山林といってもわずか0,5haで、しかも勤めていないので、無理をすることなく自分のペースで手入れができることです。

幸いにも最も労力を要するような手入れは、ある程度体力があった60代前半に終えてしまっています。

狭い山林ながらも、今〈68歳〉から手入れに取りかかるとなると自信がありませんわ。

改めて家族に感謝ですな。

 

【追伸】

木立の梅の花がようやく咲きましたわ。(右上写真)

大人の生きる姿勢にも問題が

木立前の道路脇に除草剤を撒く

風もなく、暖かい穏やかな日となりました。

木立を一回りし、除草剤を撒こうと思いきや、2年ぶりに知人が訪ねて来ました。

 

「せっかくの作業日和にいきなり訪ねて申し訳ない。」

「わしゃー、別にかまわんけど、 … まあ、元気そうで何よりや。」

「 … 実は … 息子のことやけど、 … 学校〈大学〉に行かんで困っとるんや。」

「おお、2年前の今頃は、息子さんが合格した言うて喜んどっとたのに、それから行っとらん言うのか。」

「そうなんや。で、とにかく今は2年やけど、単位が足りんで3年に上がられんかもしれんのや。 … 心配で大学の窓口に相談に行ったけど、単位が無いとどうしようもないと言われたんや … … … 。」

 

彼〈知人〉は、その後も延々と〈正午近くまで〉、やる気がまったく見られない、昼夜逆転の生活をしている … 等、息子さんの現状を語っていました。

何しろその息子さんと一度も会ったことがなく、実情もわからないので、ただ、うん、うん、と聞いていただけでした。

 

午後、木立前の道路脇に除草剤を撒いているとき(右上写真)、ふと午前中に知人が話していたことを思い出し、

「若者が自分のやりたいことを見つけられないのは、大人の生きる姿勢にも問題があるのでは。大人が真剣に生きている姿を見る機会があまりにも少ないのではないか。」

と思った次第です。

これも何かの縁でしょうな

NEC製AUA-8000

〈午後〉4時半頃でした。

音響機器を点検していると、ケータイが鳴りました。

昨日訪れた知人からでした。

※ その知人については、前回のブログ記事をご覧ください。

 

「 … 昨日はありがとう。 … 息子がちょうど帰省したんで、いっしょに実家に行って整理をしたんや。そしたら、まだ独身の若いときに買うたアンプが出てきたんや。何しろ50年ほど経っとるし、動かん〈作動しない〉かもしれん。ただ箱に入れたったんで、外観はきれいなんやわ。 … わしんとこ〈私の家〉は狭〈く〉て置くとこ〈場所〉もないし、 … といって捨てるのも何やし、 … できれば、あんたにもろうてほしいと思うて … 。」

いただく旨返事をしました。

※ 彼が実家に行って整理をした経緯についても、前回のブログ記事をご覧ください。

 

5時過ぎに息子さんといっしょにプレハブに来ました。

アンプを箱から出したのはいいけど、電源を入れるのは躊躇われましたわ。(右上写真)

半世紀近く使ってないので、下手をするとショートしますわな。

 

プラグをコンセントに差し込み、思い切ってスイッチを入れました。

2つのインジケーターがオレンジ色に灯り、異常な熱を帯びることもありませんでした。

彼と息子さんは、それを確認すると帰って行きました。

 

… 音響機器の点検時にアンプをもらう …

これも何かの縁でしょうな。

気が向いたらいつでも来いや

ようやく日差しが 2025 2.22 9:20AM

9時過ぎに雪が止み、日が差し始めました。(右写真)

3日ぶりの木立回り。

30分ほど歩いたか。

プレハブに戻ると、ちょうど知人が訪ねて来ました。

 

「実家の片付けに行くつもりやったけど、雪が多て無理や思うて、あんたんとこに〈あなたのところ〉に寄ったんや。いきなり来て悪いのお … 。

「大歓迎や。まあ、入れや。

※ 彼の実家〈現在空き家状態〉は、昨年元日に起こった大地震の影響をもろに受け、秋には大雨にも見舞われた。
公費解体の日が迫っており、その前に家の中のものを整理したいとのこと。

 

近況を話していると、ふとプレハブ内を見回しながら

「話は変わるけど、このプレハブいくらやった … 。」

「10年ほど前で〇〇〇万円やったけど、そんなこと聞いてどうするんや。」

「実家を解体したら、その跡地にプレハブを置こうと思うとるんや。そしたら、いつでも行って寝泊りできるわ。維持費も安つくみたいやし。 … 何にも無くなってしもうたら、ふるさとと完全に縁が切れたみたいで寂しいんや … 。」

 

彼を見送りつつ思いました。

「私の場合は、何とか住めるような〈準半壊の〉家が残った。 … 周りの家々もよく似た状態で、決して楽ではないけど、みんなそれなりに暮らしている。 … が、彼の場合は … 。」

 

… 気が向いたらいつでも来いや …