【人はなぜ「美しい」がわかるのか】を読む

【人はなぜ「美しい」がわかるのか】橋本治著:ちくま新書

【人はなぜ「美しい」がわかるのか】橋本治著:ちくま新書(右写真)を読み、印象に残った箇所を紹介します。

 

… 自分にとって意味のあるものを見つけ出したとき、「ある」と思う感情は「美しい」と一つになります。「美しい」という感情は、そこにあるものを「ある」と認識させる感情で、「ある」ということに意味があると思うのは、すなわち「人間関係の芽」です。
「美しい」は、「人間関係に由来する感情」で、「人間関係の必要」を感じない人にとっては、「美しい」もまた不要になるのです。 …
P174

… 「リラックスを実現させる人間関係」は必要で、そしてもう一つ、「自分の所属するもの以上にいいものがある」という実感、__つまり「憧れ」がなければ、「美しい」は育ちません。「美しい」は「憧れ」でもあって、「憧れ」とは、「でも自分にはそれがない」という形で、自分の「欠落」をあぶり出すものでもあるのです。 … P176

 

日々ほとんど一人で木立の手入れに専念し、世捨て人同然の生活をしている「人間関係に乏しい」私 … 。

上記2つの引用箇所を見るに、私は、「美しい」が不要な人ということになりますな。

が、どっこい、「美しい」がわかりたいという気持ちを強く抱いているんですわ。

著者が言うには、相手が人間でなくてたとえ人間以外の動物や植物であっても、「擬人法」の観点から「人間関係」と同一視できるとのこと。

つまり私が毎日相手にしている草木も、人間と見做せるってこと。

彼らとはとてもリラックスした関係にあります。
〈ひょっとして彼らはそれほど思っていなかったりして〉

 

これで、自分に「美しい」がわかる条件が備わっていることがわかりました。

「美しい」をいっぱい味わい、素敵な残りの人生にしたいですな。

幾つになっても勉強ですな

【日本人のお役目】矢作直樹著:ワニブックスPLUS新書

太鼓好きの知人が訪ねて来て、「和太鼓の演技を見たい」と言い出した。

で、ユーチューブを開くと、あるわ、あるわ … 。

こんなにも和太鼓演技の番組があるなんて。

私にとって、ユーチューブで和太鼓物を見たのは初めて。

 

で、それらを見ていると、
「 … あの太鼓に巻いてあるしめ縄やけどホントに立派や。大麻で編んだんやろな。」
と、知人の言。


「大麻って … あの薬物のことか?」

知人
「そうや。 … 今は大麻取締法で勝手に栽培はできんけど、大きな神事となると、伝統に則って大麻でつくられたものが使われとるんや。」


「 … … … 。」

 

就寝前に布団から首だけ出し、本【日本人のお役目】矢作直樹著:ワニブックスPLUS新書(右上写真)を読んでいると、

… そもそも麻は神道と密接な関係を持つ植物です。
注連縄〈しめなわ〉は稲葉の他に大麻の繊維でも組成され、即位式や新嘗祭〈にいなめさい〉 … などの大祭で着る神聖な衣装 … も大麻で作られます … … 。
麻は神からのギフトです。穢れを祓うものと同時に天照大神の御印〈みしるし〉そのものです。植物としての能力も突出しており、成長が早く、害虫に強く、栽培の手間がかかりません。非常に楽です。
用途も多岐にわたります。
… … もともと、先の大戦までは全国で大麻が栽培されていましたが、戦後、アメリカに規制されて以来、現在まで一部を除いて厳しく禁止されています。
快楽としての使用はいけませんが、それ以外の用途は有益性が高く、麻文化を本格的に復活させると日本という国家も大きく浮上するでしょう。 P96~97 …

と。

 

まさにシンクロニシティー〈意味のある偶然の一致〉ですわ。

「おまえ、歴史の勉強が足りんぞ。」と、神の思し召しかな。

歴史については一通り習ったといえど、いまだにわからないことの何と多いことか。

幾つになっても勉強ですな。

生き方について2冊の本を読む

【人生後半の幸福論】齋藤孝著:光文社新書〈左〉 【自分が高齢になるということ】和田秀樹著:新講社〈右〉

【人生後半の幸福論】齋藤孝著:光文社新書と【自分が高齢になるということ】和田秀樹著:新講社(右写真)を読み、印象に残った箇所をそれぞれ一つずつ紹介します。

 

… 大人になった今、もう一度『山月記』〈中島敦著〉を読み直す … 、
昔はこういうところに気づかなかった、でも今はそこに気づける、深く理解できる。前に読んでいるからこそ、その比較ができる。少しでもその世界観に馴染んだことがあるほうが深く味わえる。昔のほうが細部までよく読めていた、今のほうがわからないということはないのです。
… 学校教育の意味とは、少しでも触れておくことで、のちのち興味を持ちやすくするため、すべてはその下準備だったのです。
【人生後半の幸福論】 P173~174より

 

… いちばん大事なのは、たとえ認知症になってもその能力〈残存能力〉を使い続けるということで、それによって症状の進行を遅らせることができます。
… 楽しいことや好きなことなら、いつまでも続けることができます。だれかの役に立ちたいという気持ちはもちろん大切ですが、自分が楽しくなければだんだん意欲も薄れてきます。
【自分が高齢になるということ】 P164より

 

生き方の類の本については、とくに定年退職直後によく読みました。

それらには重なる部分も多く、今回紹介した箇所〈上記〉、新たに知ったことです。

端的に言うと、学校教育の意味と認知症を遅らせる術という2点になるでしょうか。

いつまで此岸に居られるか定かではないけど、とにかく楽しくやっていきたいですな。

 

【追伸】

前回のブログ記事でお伝えしたトウガラシの件、本日整理いたしました。

気になっていたことを片付けると、スッキリしますわ。

【バッタを倒しにアフリカへ】を読む

【バッタを倒しにアフリカへ】前野ウルド浩太郎著:光文社新書

【バッタを倒しにアフリカへ】前野ウルド浩太郎著:光文社新書(右写真)を読み、とくに印象に残った箇所を紹介します。

 

… 今後、私がとるべき道は二つ。日本に帰って給料をもらいながら別の昆虫を研究するか、もしくは、このまま無収入になってもアフリカに残ってバッタ研究を続けるか。決断のときが迫っていた。
… … 日本に戻り、別の昆虫の研究をするポスドクとして誰かに雇ってもらえれば給料はもらえるが、それは心底やりたいことではない。一方、このままアフリカに残ると収入はないが、自分の好きな研究ができる。夢と生活を天秤にかけてみる。 … … もし自分が去った後にアフリカでバッタが大発生しても、すぐには駆けつけられない。そんなことになったら一生後悔するのは目に見えている。 … … 後悔は私の心を一生曇らせるだろう。 … P260~261

 

著者はバッタの研究者で、アフリカのモーリタニアという国の砂漠〈サハラ砂漠〉でフィールドワークをしている。

短期契約〈契約更新なし〉の身分ゆえ、契約が切れると無収入になってしまう。

アフリカに残って研究を続けたい、というのが彼〈著者〉の本心なのだが、生活費、研究費が入らなくなったらそうも言ってられない … 。

上記の引用箇所は、その心の葛藤場面である。

 

・心底やりたいことではないけど、お金が入ってくる。
心底やりたいことだけど、お金が入ってこない。

大半の方が、人生のどの時点かにおいて選択を迫られたことがあるのではないでしょうか。

 

ちなみにその後の彼は、情熱、実績等が認められ、ある大学の研究機関にてバッタ研究が続けられることとなり、現在は国立の研究機関でお仕事をなされているとのこと。

 

今回の感想は、タイトル【バッタを倒しにアフリカへ】と少しずれるものになってしまいましたが、
著書の中身は、バッタ〈とくにサバクトビバッタ〉の生態について満載なのは言うまでもありません。
おもしろい本でした。

【遺言】【還暦からの底力】を再読する

【遺言】養老孟司著:新潮新書〈左〉     【還暦からの底力】出口治明著:講談社現代新書〈右〉

【遺言】養老孟司著:新潮新書と【還暦からの底力】出口治明著:講談社現代新書(右写真)を再読しました。

両著書で印象に残った箇所を2つずつ紹介します。

 

【遺言】より

… 言語は「同じ」という機能の上に成立している。逆に感覚はもともと外界の「違い」を指摘する機能である。そう考えれば、感覚が究極的には言語化、つまり「同じにする」ことができないのは当然であろう。
そこをなんとか伝達可能にしようとする最前線の試み、それがアートだとも言える。 … P117

… コンピュータにできることを、ヒトがする必要はない。コンピュータと将棋を指したりするのは意味がない。私はそう思う。百メートル競走を、だれがオートバイと競うのか。走るのに特化した機械と、ヒトが争う必要はない。ゼロと一とで書かれ、アルゴリズムで動くような思考を、コンピュータと競う必要はない。 … P173~174

 

【還暦からの底力】

… 要するに「来る者は拒まず去る者は追わず」で、緩く扉を開いているだけです。自分にアクセスしてくる人は、自分のことを面白いと思ってくれているのだから、ありがたいと思って受け入れる。自分から去るということは、その人にとって自分は魅力がないということなので、追いかけても仕方がない。 … P85

… … 年齢が高くなればなるほど「何をいまさら」と思う人がいるかもしれません。しかし、皆さんが一番若いのはいまこの時です。明日になったらまた1日、年を取ってしまいます。どんな年齢の人でもいまこの時が一番若いのですから、思い立ったらすぐ行動することが大切です。 … P233

 

プレハブにある本を整理していたら、上記2冊が目に留まりました。

外は雪が降っていて寒く、外出する気にもなれず、ほぼ終日薪ストーブの傍らで再読していました。

※ 【遺言】については、当ブログ記事で一度紹介しています。
〈2018 1.11付ブログ記事『【遺言:養老孟司著】を読んで』参照〉

 

本を読んでいて目が疲れると、薪のゆらめく炎を見たり … 窓外の冬景色を眺めたり … 天井をボーと見つめたり … と、

久しぶりにじっくりと本を読みましたわ。