【乙女の日本史 文学編】【乙女の日本史】を読む

【乙女の日本史 文学編】〈左〉 【乙女の日本史】〈右〉 堀江宏樹,滝乃みわこ著:東京書籍

【乙女の日本史 文学編】【乙女の日本史】堀江宏樹,滝乃みわこ著:東京書籍(右写真)を読み、とくに印象に残った箇所を一か所ずつ紹介します。

 

… … 「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」 … この句を作った子規の頭の中には、漱石が約2ヶ月前につくった句が確実にあったと思われます。その句とは「鐘つけば 銀杏〈いちょう〉ちるなり 建長寺」
しかし、これを「盗作だ」といって怒ったりしないのが、漱石と子規の深い友情の表れです。少なくとも、漱石自身は自分のアイデアが、子規によって永遠の作品として生まれ変わったと感じていたようです。 …
【乙女の日本史 文学編】 P185~186

… … 「仁徳天皇陵」は現在、「大仙古墳」と書き、横に「伝・仁徳天皇陵」とオマケ程度に書き記すのが主流です。つまり「アレは偉い人のお墓であることは規模などからみて間違いないけれど、誰が眠ってるかは分からない、少なくとも仁徳天皇ではない」というのが常識となったから。
実はこの古墳を仁徳天皇の墓と決めたのは、江戸時代の歴史学者・本居宣長。彼の調査が我が国における考古学のはじまりだったと考えられるほど立派な人ですが、調査が当時は現在ほど正確に出来なかったため、彼の命名には多くのミスがあったのです。 …
【乙女の日本史】 P21

 

たしかに著者が言っているように、長い間、日本史というジャンルはおじさんのものだったかもしれない。

で、当著書は、
” さよなら「おじさん史観」、今こそ語ろう、乙女目線の日本史 ”
の観点より書かれたとのこと。

が、おじさん〈おじいさん?〉の私が読んでも、まったく違和感がないどころか、とてもおもしろい。

また、たくさんのビビッドなエピソードが散りばめられているせいか、まるで自分がその場にいるかのような感覚になる。

 

内容が具体的でわかりやすく、あれよあれよという間に読み終わっていました。

【最新理論を人生に活かす 量子力学的実践術】を読む

【最新理論を人生に活かす 量子力学的実践術】村松大輔著:サンマーク出版

【最新理論を人生に活かす 量子力学的実践術】村松大輔著:サンマーク出版(右写真)を読み、印象に残った箇所を紹介します。

 

… … 素粒子レベルで見るとそうなのですが、お釈迦様は、はるか昔にこの事実を悟っていたようです。仏教用語の「諸法無我」とは、このことを言っています。
「単独で、個別で存在するものは何一つありません。すべて繋がりあっていますよ」と。
いずれにしても、モノもコトも、すべての現象は見えない世界で繋がっています。
あなたが何を思うかによって、それが動いていくのです。
量子力学は、その真理に迫り、お釈迦様は2500年も前にその本質を悟りました。 P152

… … 「魂の目的」を、どうやって思い出したらいいのか、お話ししましょう。それは「好き」とか「居心地がいい」「心の底から湧き上がる」「ワクワクする」「楽しみでゾクゾクする」などの感情を封印しないことです。
「何か違う」と違和感をもつなら、それは魂に反しているのかもしれません。 P190

 

今回取り上げた著書のタイトルには、『量子力学』という言葉が入っています。

以前は、『量子力学』って、てっきり物理学の一分野だと思い、全くの食わず嫌いでした。

が、執行草舟〈しぎょうそうしゅう:実業家,著述家,歌人〉のユーチューブチャンネルを視聴し、そうでもないことがわかりました。

彼はそのチャンネルで、
「量子は目に見えないゆえ、今の科学では計測できない。むしろ『量子力学』と言うより『霊性力学』と言った方がわかりやすいかもしれない。」
というようなことを言っていました。

 

現に紹介した箇所〈上記参照〉を見ても、2箇所とも、『量子』を『霊性』と置き換えた方がしっくりきます。

… タイトルに『量子力学』という科学の最先端を行くような言葉が付いている本を読んだら、何と宗教、哲学、心理学の類の本を読んだような感じだった。 …
というのが、素直なところです。

と同時に、
かつて読んだ本【奇跡の脳】の中で、著者のジル・ボルト・テーラー〈脳科学者〉が、
… 私は脳科学について研究してきたけど、その結果は、ユング〈心理学者〉の考えとよく似ている …
と言っていたことを思い出しました。

※ 2024 3.4付ブログ記事『【奇跡の脳】を読む』を参照

 

著者〈村松氏〉も言うように、
… モノもコトも、すべての現象は見えない世界で繋がっている …
ようです。

骨を埋めるつもりで

今日の地元新聞の第1面

朝食を食べながらテレビを見ていると、

何と、知事が代わるんだと。

近くのコンビニで地元新聞(右写真)を買ってから木立に向かいました。
〈定期購読していませんので〉

 

新聞を読むに、現知事が落選した理由については、ありきたりのことしか書いてありませんでした。

ふと、2年前の元日の大地震の頃のことを思い出しました。

「 … 知事はこんな大事なときにこっち〈石川県〉におらんらしいわ。 … 家族もこっちに住んどらんいうことや。 … … こんなんじゃ、次の選挙入れられんのー〈投票できんのー〉 … 。」

というような声が、すでにちらほら。

で、復旧が遅々としていることも手伝い、今回の結果になったと思われるのですが。

 

私を含めてほとんどの者は、大地震があったからといって、諸々の事情もあり、そんな簡単に移住できません。
〈たとえどこへ逃れても、日本で地震のないところはないように思われますが〉

となると、今いるところで踏ん張るしかないんですわ。

現に残っているみなさんは、少しでも暮らしがよくなるように日々努力しています。

そして、最後は生まれ育ったふるさとに骨を埋めるつもりでいます。

 

新たな知事は、県庁所在地で市議、市長を長らく務め、実績ある地元密着型の人。

コンサルタント然とした人でなく、骨を埋めるつもりで寄り添ってくれる人が望まれているのです。

【小説伊勢物語 業平】を読む

【小説伊勢物語 業平】髙樹のぶ子著:日本経済新聞出版

【小説伊勢物語 業平】髙樹のぶ子著:日本経済新聞出版(右写真)を読み、印象に残った箇所を紹介します。

 


… 烏帽子や冠を脱ぐ、というのは何かしら成人男子としての力を我が身から外すような気がして心もとなくなってしまう。 …
P37


… 死者に触れたなら、三十日は外出を慎まねばならない。弔問のみであっても、不浄の身は遠慮せねばならないことが多いのに、この手で抱いたのである。 … P49


… 人が人を裁き殺す、ということに漠たる畏れが持たれていたのも、刑死によりこの世に残る魂は、生き残る都人たちに、災いを及ぼすと考えられていたからでもあります。 … P76


〈伊勢斎宮にて〉
… 死は奈保留〈なおる〉、病は夜須美〈やすみ〉、哭〈な〉くは塩垂〈しおたれ〉、墓は塊〈つちくれ〉のように、言い換えねばなりません。
いずれも、忌まわしきことを柔らかく変えて申します。白木の世を言の葉で汚してはならないだけでなく、唐より入り来た仏教の言い方も、ここでは排しておるのです。 … P329


… 唐より来た文字の真名には、唐の思いが宿るが、仮名にて読まれるこの国の和歌は、この国の人の思いとして伝わり残るのを、 … …
P406

 

①~③の他にも、当時〈9世紀後半~10世紀前半〉の人々の思いや考えがたくさん書かれていました。
とくに③のことより、死刑でなく、安芸、阿波、隠岐などへの島流しが多く行われたことが理解できました。

④⑤より、当時すでに、日本本来の文化を大切にしようという気運が高まっていたことを改めて知りました。
菅原道真が遣唐使を廃止したのも、その頃だと記憶しています。
話が逸れるかもしれないけど、道真も業平も藤原氏によく思われていなかったんですな。

 

千年以上も前の歌物語を、よくぞ現在の私たちが楽しんで読めるような小説にしてくれました。

まさに髙樹のぶ子氏の圧倒的な表現力のなせるわざです。

在原業平 … いい男ですな。

最後に彼の歌を二つ紹介して、感想を閉めたいと思います。

・世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
P316

・つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを
P454

【100分de名著 太平記】を読む 

【100分de名著 太平記】安田登著:NHK出版

【100分de名著 太平記】安田登著:NHK出版(右写真)を読んでの感想を述べます。

 

高校生のとき、古文、漢文を習ったのですが、不勉強だったせいか、太平記は記憶にありません。

ただ、太平記という物語があることは知っていました。

著者〈安田登氏〉が言うには、
… 戦時下に忠君愛国の広告塔として喧伝された反動からか、戦後になると『太平記』はあまり読まれなくなりました。全40巻と長大なことも、読まれなくなった原因の一つでしょう。 … P5
とのこと。

 

で、【100分de名著 太平記】を読んだのですが、150ページほどの間に、太平記のエキスが詰まっているというような本でした。

要所要所に著者の豊富な知識に裏付けされた解釈や思いなども散りばめられ、そのことが読む者の理解を大いに促してくれました。

あれよあれよという間に読み終わってしまいました。

太平記を読むには最適な入門書だと思います。

 

とくに印象に残った箇所は、吉野の御所で光厳法王と御村上天皇が対面した場面での光厳法王のお言葉です。

… 早晩〈いつか〉山深き栖〈すみか〉に雲を伴ひ松を隣〈となり〉として、心安く生涯をも暮すべきと、心に懸けてこれを念じこれを思ひしところに … P108
… いつか奥山の住居で雲を友とし松を隣人として、心安らかに暮したいものだと、心から念願しておりましたところ … 〈著者現代語訳より〉

 

600年以上も前の政〈まつりごと〉の最高位にあった方のお言葉です。

日本人の心の底流を流れているものを垣間見たようです。

古典を読みたいという気持ちがいっそう強まりました。