風邪気味の朦朧とした頭で考えたこと

終日寝っ転がって見るともなしにユーチューブを見ていました

長引く風邪ですな。

引き始めて3日目というのに体が怠く、何にもやる気なし。

終日寝っ転がり、見るともなしにユーチューブを見ていましたわ。(右写真)

トランプ大統領とゼレンスキー大統領の口論場面が印象に残りました。

 

ゼレンスキー大統領が英語で丁々発止しているのには驚きました。

国の存亡がかかっている重要な会談には、たとえ英語に精通しているといえども、同時通訳を使うべきではないでしょうか?

アドリブで盛り上げるテレビショーではないのですから。

結局、当初の目的を果たすことなく別れることとなってしまいました。

 

トランプ大統領が悪い、ゼレンスキー大統領が悪いと言っているわけではありません。

ただ、トランプ大統領には、アメリカファーストに固執しない大国の余裕を見せてほしかった。

一方、ゼレンスキー大統領には、トランプ大統領に惻隠の情を抱かせるような配慮があってもよかったのでは。
〈もちろん卑屈になることではない〉

 

絶交したわけではないから、今後も会談の機会はある。

ウクライナも、アメリカも、そして世界も一刻も早い停戦を望んでいる。

… その望みが叶えられるためには、今やウクライナ、アメリカだけではなく、世界の英知を結集すべく段階にまで来ているのでは …

と、

風邪気味のジイサンは、朦朧とした頭で考えたのでした。

【草枕】を読む

【草枕】夏目漱石著:新潮文庫

【草枕】夏目漱石著:新潮文庫(右写真)を読みました。

いつもならとくに印象に残った箇所を紹介するところですが、今回の場合、紹介する箇所が多過ぎるので感想のみをを述べます。

 

① 【草枕】に登場する主人公と那美という女性の会話がとても現代的。
100年以上も前〈厳密には1906年〉に書かれたというが、二人が会話している箇所だけ読んでいると、最近書かれた小説かと思うほどである。

② 二人〈主人公と那美〉の会話以外の箇所は、さすがに100年前の時代を感じさせる。

否、それよりずっと前の時代かと思うほどである。
至るところに難しい漢語が使われているからである。
〈読み下し文がない漢詩も少しでてくる〉

が、漢字を見ているうちに、漠然としてではあるが意味がわかってくる。
主人公〈=漱石?〉が言わんとしていることは、これまた現代に十分通用するような芸術観、人生観であるということが。

③ … 理屈なしに自然に溶け込めたら …
という漱石の願いがひしひしと伝わってくる。
〈日々木立の手入れをしている私も同感〉

 

今回の【草枕】は再読です。

前回読んだのは50年ほど前になります。
〈右上写真の文庫本の奥付には昭和50年8月30日58刷とあります〉

そのときは今以上に漢語の意味がわからず、読了したとはいえ、すっきりしなかったことを覚えています。

で、再度漱石を読むなら、まずは【草枕】からという思いが強くありました。

 

この50年間の経験ってホントに大きいですな。

出会ったみなさんからいろいろ教えていただいたり、よい刺激を与えていただいたりしたおかげで、少なくとも以前よりは理解できたと感謝しております。

すっきりしましたわ。

 

… 追伸 …

文庫本の小さい文字を読むために、1ランク度の強い老眼鏡を買いました。(右上写真)

【はるかな本、遠い絵】を読む

【はるかな本、遠い絵】川本三郎著:角川選書

【はるかな本、遠い絵】川本三郎著:角川選書(右写真)を読み、印象に残った箇所を紹介します。

 


… 野口冨士男の作品をよく読むようになったのは十年ほど前、四十歳を過ぎ、自分ももう若くはない。これからは新しいものをいたずらに追うのではなく、自分の好みに合った仕事をゆっくりしたペースでやっていこう … … 。 P60


… … 本好きなら誰でも知っていることだが、名著、古典の類よりも、「どこにでもあるような本」ほど、あとになって探そうとすると手に入りにくいものだ。 … P114


… 「ぼくは系統だった郵便切手のコレクションはしていない。だいたい何によらずコレクションというやつは、人間を生意気にする傾向があるのでイヤなんだ」という言葉は、氏〈植草甚一〉の立場をよくあらわしている。雑学の好きな氏は何よりも「系統だった」ことを嫌う。そんなことは学者にまかせておけばいい。町の自由人は、キュオリオシティのおもむくままにキュリオ〈骨董品〉を探して歩く。寄り道、逸脱、途中下車、行きあたりばったり、そんな自由な楽しさにあふれている。 … P128

 

川本三郎を紹介するのは今回で5回目。

いつものことだけど、氏の著書を読むと落ち着きますな。

どうしてかって?

上記
① … 自分の好みに合った … ゆっくりしたペースで …
② … どこにでもあるような …
② … 自由な楽しさにあふれて …
という言葉からもわかるように、そのような雰囲気が氏の文章の至るところに漂っているからですわ。

しかも押しつけがましさがまったく感じられず、しぜんに伝わってきます。

 

書庫に氏の著書がまだ数冊あったはず … 楽しみです。

辻邦生 を読む

【人間が幸福であること】:海竜社〈左〉    【風雅集:世界文化社〉〈右〉        ともに著者は辻邦生

本の整理をそっちのけに本を読みましたわ。

辻邦生の書いたもので、【人間が幸福であること】:海竜社と【風雅集】:世界文化社(右写真)です。

とくに印象に残った箇所を両著書より一つずつ紹介します。

 

… 我々が現実のさまざまな体験により体験前とは別の人間になっていくように、本の中から出てくるときの人間はそこでの体験を通して別の人間になっていなければならないと思うのです。 … … そしてそういうときの本の中の意味は … … カフカが言っているように、本質的には精神的な苦痛、苛酷な鑿〈のみ〉を心にうちこんでくれるものでなければならないと思います。日常性の中で凝り固まった、あたかも固い氷に包まれたような我々の心を打ち砕いてくれる砕氷船の役目をしていなければならないのです。そのことにより我々は現在与えられている人間の条件を超えて、もっと広い可能性と意味あいをもって生きることができるのです。現実の世界に生きるのと同様に書物の中に生きることにより精神的現実を体験し、それに魂の底まで震撼されることで我々は蘇るのです。 …
【人間が幸福であること】
 P243~244

 

… 私は、小さな私的な主体を抜け出て、より深く大きな流れを作り出している自然や宇宙の根源の力、そういうものに合体したときに本当の詩が生まれるのではないか、とこの頃しみじみ感じます。芭蕉の『笈〈おい〉の小文〈こぶみ〉』の前文に「見る処〈ところ〉花にあらずという事なし。思う所月にあらずという事なし」という言葉があります。 … … つまり自分自身の存在そのものが既に花であり月である、そういう究極のあり方を言っているわけでしょう。 …
【風雅集】 P66

 

ここしばらくは活字から遠ざかった生活でした。

「この先、本を読むことなく暮らしていくのかな。」と思っていたほどでした。

 

書庫づくりのおかげで、久しぶりに活字に浸ることができました。

書庫には本がいっぱい … 感謝するのみですな。

金はないけど暇はある … 

本日視聴した【宮甚商店】の画面より

最近一番見ているユーチューブ番組はというと、【宮甚商店】のもの。

中古品屋さんで安価なチューナーやアンプなどのジャンク品を買ってきて、それらをリストアしたり、取り出した部品を利用したりして楽しい時間を過ごしているというような内容の番組です。

 

一週間ほど前に初めて知りました。

それ以後、毎日3~5本の番組〈1本の番組の長さは15分前後〉を視聴しています。

宮甚〈miyazin〉さん自身、ハム〈無線〉ができ、電気に関する知識も豊富なようです。

 

一方、私はというと、ハムは一度もしたことはなく、電気に関する知識もほとんどなし。

そんな者がどうして【宮甚商店】の番組に引かれる〈魅かれる〉のかって?

… 安価なジャンク品を買ってそれを創意工夫によって生きた物に変える。そしてそのことが無上の喜びの時間になっている。 …

現在の私の生き方に共通するところあり、ですな。

上記の ” ジャンク品 ” という言葉を ” 放棄地 ” という言葉に置き換えると、より分かりやすくなるかと思われます。

 

本日視聴した番組の一つのタイトルは、
『金はないけど暇はある。年金暮らしの電子工作。再生式ラジオをつくろう』
というものでした。(右上写真)

私の場合は、
金はないけど暇はある。年金暮らしの野良仕事。おいしい野菜や果物をつくろう』
となろうか。