【素朴に生きる人が残る:遠山高史著】を読んで

素朴に生きる人が残る:遠山高史著 主婦の友社

【素朴に生きる人が残る】遠山高史著:主婦の友社(右写真)を読みました。

… 高等な人間の脳は、木から降りたサルが遊んでいる手を使い、自然に働きかけることで進化してきたとされている。精神の座である脳は、手を中心とする全身運動によって培われたものであることは間違いない。 … … 脳の関与の濃厚な運動とは、スポーツではなく日常の生活の中で行われる。食事を作ったり、物を工作したり、農耕をしたり、介護をしたり、というような生活運動のことである。ただ、なぜか、人間はこういったマメな身体の動きを要する運動を低級と思うらしく、このような仕事人の身分を低く抑えてきた。… … 知的なことをすれば運動しなくても脳は鍛えられるとする主張もあるが、私は動物としての人間の身体は、植物化を納得しないと思っている。 … … 運動と脳は相互に密接な関係にあるから情緒的不安定さが運動体力の低いことからもたらされることは、大いにありうることである …
P113~114

著者は精神科医で、精神医療の現場に立ち会う医師としての経験をこの本にまとめられました。

エピローグ〈P227〉より
… 心が脳にあるという人は自然をよく知らないのではないだろうか。心は人間という一つの自然を全体として見たときの働きだから。脳だけに限られるものではない。ただ西欧人は胸のあたりの心の密度が濃いようだ。東洋人は臍〈へそ〉の下あたりの密度が濃いようだ。 …

素朴に生きる人が残る

【年金に頼らない生き方:布施克彦著】から

年金に頼らない生き方:布施克彦著 PHP新書

【年金に頼らない生き方:布施克彦著 PHP新書】を読みました。

… 国家財政が火の車であることは、誰もが承知のことだ。 … … 65歳になった時点で、年金がいくらもらえるのか。その金額で、定年後の生活がやっていけるのか。今の時点ではだれもがよくわからない。この不透明な時代だからこそ、60歳過ぎてからも稼げる方法があったらいいと思う。 … P2~3

… 少子高齢化が進むなかで、労働力人口の減少が問題視されている。 … … 高齢者の再就職には追い風が吹いているはずなのだが、現実的には決して楽観できる状況ではない。どんな職種でもいいから働きたいというのなら話は別だが、本人にとって納得のゆく働きがいのある仕事となれば、そう簡単には見つからない。 … P131~132

肯きながら読んでいるうちに昼になりました。

昼食後、知人が訪ねてきました。

昨年退職した同年代の者です。

話の内容は、まさに〈布施氏が書かれている〉上記のようなことでした。

自分に合った仕事がないかと探している最中のようでした。

一方、私も、昨年来『無所属の時間』の中で今後の自分の在り方を探っています。

… 自分にふさわしいような働き方をして収入を得る …

難しいですね。

年金に頼らない生き方: 60歳から20年、月10万円稼ぐ方法 (PHP新書 885)

真竹が生え広がらないように1m高に伐る

この辺りは以前は樹木だけだったのです
真竹を地上高1mぐらいで伐りました

木立にある真竹を伐りました。

以前は樹木だけだったところに侵入してきたものです。(右上写真)

地上高1mぐらいで切っていくことにしました。

… 12月から翌年2月までの間に1mほどの高さで竹を切るだけ。そうすると真竹などの細めの竹なら1年後には根元から抜ける。 … …
地下茎をも枯らして新たなタケノコを生ませない強力な竹枯らしの効果がある。 … …
12月から翌年2月にかけては竹が水を吸い上げなくなる冬眠期間。その間に1mの高さで切られると、竹は切られたことに気づかず、… …
竹はピーク時には1日に2~3mも伸びるほど生長スピードが速い。ぐんぐんと伸び続ける竹が全身に水をめぐらすには相当な給水力があるはずだ。切られたことに気づかない1m竹は、春にそのままの勢いで水を吸い上げ、オーバーフローしてしまう。結果、次第に根や地下茎の養分まで使い果たし、1年も経つと根っこもろとも枯れてしまう
 …
【竹 徹底活用術:農文協】 P60より

ということで、1mほどの高さで40本ほどの真竹を伐っていきました。(右下写真)
… 竹が跳ね返って顔や体に当たらないように気をつけながら …

竹 徹底活用術―荒れた竹林を宝に変える! (現代農業特選シリーズ―DVDでもっとわかる)

【九十歳まで働く!:郡山史郎著】を読んで

こうすれば実現できる! 九十歳まで働く! 郡山史郎著 WAC

【こうすれば実現できる! 九十歳まで働く!:郡山史郎著】WAC を読みました。

… 〈高年齢者は〉なぜ就業機会がないか考えてみよう。理由は簡単でその価値がないからである。高年齢者は伸びしろは無いから、その仕事ができなければならない。若い者にはまけないと言っても、ほとんどの場合、高年齢者は、若い者と体力的に同じ仕事はできない。スポーツを例にすればわかりやすいが、ビジネスの現場はほとんどスポーツと同じである。
スピード、耐久力、最新のツール、機材を使う能力など、若者には勝てない。知恵や経験が生きる職場はビジネスの現場にはほとんどない。知恵や経験があってもそれを活かして活躍できるのは、せいぜい五十代までだから、どうしようもない。 … … 高齢者の就業は、自分は無能であり、社会の中ではほとんど通用しないという認識から始まるべきであろう。 … P141~142

80歳を越えた現在でも、現役で人材派遣のお仕事をなされている郡山氏の言葉です。
それとよく似たことを、私も昨年の重機の教習所で経験しています。
詳細は、昨年の8月2日付ブログ『定年退職後重機の講習を受ける その2』をご覧ください。

… 高齢者は、本質的に心身の能力が低下してくるから、それでも社会の一員としてやっていくには、それなりの対応と努力が必要になる。若い時とおなじことはできないので、仕事の内容、時間は変えなければならない。それは高齢者が自分で解決しなければならない問題である。 … P158

氏は、高齢者に ” 個人事業者 ” になることをお勧めになっています。
” 雇用関係 ” だと、どうしても ” 上下関係 ” になって気まずい思いをすることが多いからだそうです。

無所属の時間での生活者から個人事業者へ ???

九十歳まで働く! こうすれば実現できる! (WAC BUNKO 259)

【遺言:養老孟司著】を読んで

遺言:養老孟司著 新潮新書
プレハブ内:個人的空間

【遺言:養老孟司著 新潮新書】(右上写真) を読みました。

… 通常の家というのは、共有空間と、個々別々の個人的空間が折り合わされている。それを意識と感覚と表現してもいい。共通性つまり意識が強い場所もあるし、個室のように個人性つまり感覚が強い場所もある。 … … 共有性空間を当たり前だと思ってしまう人は、都市型の生活に適応がいいはずである。逆に個人空間しか存在しないのに近い人は、田舎暮らしが合うと思う。いわゆる方向オンチの一部は、共有空間の概念が弱い人を含むに違いない。 …
P125~126

私は、退職後9か月余り、一日の大半をプレハブ(右下写真)及びその周り〈所有地:ブログでは、木立という表現をしています〉で過ごしてきました。
養老氏のいう『個人空間しか存在しないのに近い人』です。
方向オンチな面もあり、田舎暮らしが合っているとも思っています。

今思うと、退職時に再び仕事をすることを希望しなかったのも、  意識 ” が強く支配する職場〈共有空間〉にいることが苦手だったからかもしれません。

※ 職場を悪く言っているのではありません。
かつて仕事に関係したみなさんには今でも感謝しております。
すみません。
著書全体を通してまとめて書くべきところを、一部分だけ抜き出して、勝手に自分のことに当てはめてしまいました。

もちろん、養老氏は、世の中全体の将来のことをお考えになり、 ” 意識 ” と ” 感覚 ” について深く思索をめぐらし、本をお書きになっています。

… 意識自体も確実に定義されているわけではない … P164
… できることは、意識がいかなるものか、それを理解することである … P179

みなさんも、ぜひお読みになってください。

遺言。 (新潮新書)